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海外旅行中に新型コロナで“差別” 作者を救う現地人の神対応を描いた漫画が話題 「こういう強さと優しさを持ちたい」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

漫画のワンシーン【画像提供:五箇野人(@gokayajin)さん】
漫画のワンシーン【画像提供:五箇野人(@gokayajin)さん】

周囲の人達からの刺さるような視線 恐怖を感じた瞬間ある男性が助けに

 今や世界各地で問題になっている新型コロナウイルス。その影響は多方面に広がっていますが、海外で日本を含めてアジア人に対する差別も懸念されています。そんな中、海外を旅行中に実際に“差別”的なことを体験しつつも「悪い人ばかりではない」と訴える漫画が話題になっています。作者に漫画を描いた経緯や思いを聞きました。

 ◇ ◇ ◇

 話題になっている漫画を描いたのは、旅行中に自身が体験したエピソードを漫画で発信している五箇野人(@gokayajin)さん。現在も「世界歩いてるとドープな人にカラまれる」「#世界#映え殺し#ツアーズ」という漫画を連載しています。五箇野人さんは「タイミング的に、旅行に行く前から海外の方のアジア人への反応を気にはしていたのですが、実際に印象に残るエピソードだったため、この漫画を描くことにした」と話します。

 漫画は、2月中旬に訪れたとある国でのエピソードについて描かれています。現地はアジア人が少ないエリアだったらしく、街を歩いている五箇野人さんに対して現地の人々はささやくように「コロナ、コロナ」とひっそり口にし、子どもたちにはあからさまに「コロナ!」などと言われたようです。

 さらに歩いていると、周囲の人たちから一斉に刺さるような視線を浴び、緊張はピークに。身の危険を感じていたところ、ある1人の男性が「コロナ!」と大声で叫びながら、おたまを持って近づいてきました。

 おたまを目の前でブンブンと振り回されて、その迫力に「殴られる」と観念した五箇野人さん。しかし実際には、おたまが顔や体に当たることはなかったそうです。次にその男性は、近くの子どもたちや周りの人々に分かるように「コロナウイルスは退治した。もうこの人はコロナじゃない」と“宣言”。すると、誰も「コロナ」と呼ばなくなりました。

 この体験を漫画にした背景には「最近よく『海外ではアジア人差別が……』という報道がされていますが、実際にはすごく良くしてくれる人もたくさんいるという事実を伝えたかった」という思いがあったと言います。

 SNS上でも大きな反響を集め、「罪(コロナウイルス)を憎んで、人を憎まず。こういう対応ができる人に私たちはならねば」「子どもにも分かりやすいように退治の場面見せるの優しいだけじゃなくて賢いなぁこの人」「素晴らしい!神対応!」「こういう強さと優しさを持ちたい」といったコメントが多数寄せられました。また、五箇野人さん自身も「漫画に、というよりも、この現地の紳士に対しての温かいコメントがうれしい」と話しています。

(Hint-Pot編集部)