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娘のひな人形を無断で渡した夫 義実家よりも家族を優先できない人との結婚は続けるべき? 夫婦カウンセラーがアドバイス
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教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

家族の中で、誰を最優先にするのか。その答えがはっきりしないまま放置されたとき、夫婦関係は静かに壊れていきます。娘のひな人形をめぐる出来事をきっかけに、義実家からの圧力と、夫の態度に心を削られていった30代女性。夫婦カウンセラーのアドバイスとともに紹介します。
◇ ◇ ◇
娘のひな人形が、いつの間にか義姉の家に…
「娘のひな人形として、実家の両親が奮発して、60万円ほどする作家ものの親王飾りを買ってくれたんです」
そう話し始めたのは、関東地方在住の谷村路子さん(仮名・30代)。路子さん自身も、幼い頃に祖父母から高価なひな人形を買ってもらった経験があり、その人形は今も実家で毎年、大切に飾られているといいます。
異変に気づいたのは、昨年2月上旬のことでした。そろそろ娘のひな人形を飾ろうと、しまってあったはずの物置部屋を探したものの、何度見ても箱が見当たりません。
仕事から帰宅した夫に尋ねると、歯切れの悪い返事ばかり。娘を寝かしつけたあと、改めて問いただすと、夫はようやく口を開きました。
「姉のところ、お金がなくてひな人形を買えないらしくてさ。しばらく貸してあげてもいいかなと思って……」
義姉に頼まれるまま、路子さんになんの相談もなく、ひな人形を渡してしまったというのです。
「言葉を失いました。ひな人形は3月3日という同じ日に、どの家庭でも必要になるものです。それを“貸す”発想自体が、理解できませんでした」
怒りで頭が真っ白になりながらも、路子さんは「何をおいても、まず取り返さなければ」と思ったそう。翌日、すぐに義姉の家を訪ねました。
義姉は不在でしたが、留守番をしていた義姉の夫に、1年前に撮影したひな人形の写真を見せながら事情を説明。すると、何も知らなかった様子で何度も謝罪されたそうです。
その日の夜、仕事中に義姉から連絡を受けたらしい夫が帰宅するなり、険しい表情でこう言ったといいます。
「姉ちゃん、すごく怒ってたぞ。勝手に家まで来られて、恥をかかされたって」
その言葉を聞いた瞬間、路子さんの中で何かが切れました。
「怒りを通り越して、感情が一気に引いていくのがわかりました。私は無表情のまま、『娘や妻より姉を優先する人とは、もう一緒に暮らせない。二度と帰ってこないでください』と伝え、夫のカギを取り上げました」
夫は慌てた様子で「言葉のあやだろ」「親族同士のことなのに」と繰り返していたものの、最後まで謝罪の言葉はなかったそうです。
「謝罪のひと言があれば、結果は違ったかもしれません。でも、娘の大切な行事よりも、姉の気持ちを優先した。そのうえで私を責めた。その事実だけで、もう無理だと思いました」
夫とは子どもの前では変わらないよう接しているものの、冷戦状態が続いており、路子さんの気持ちは「離婚」で固まっているといいます。