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「正直困ります」 美容師が明かす「お任せ」オーダーの“本音” 理想のヘアスタイルを叶えるための伝え方とは
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美容室で髪を切ったり、ヘアカラーをしたりするのは気分転換にもなりますよね。ただ、美容師を信頼して伝える「お任せで」という言葉が、実は施術を難しくしていることもあるようです。知っているようで知らない、理想のヘアスタイルを叶えるオーダー方法について、合同会社サステアの代表で現役美容師の三村浩章さんに伺いました。
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「長さ」だけでも伝えたほうが良い場合も
お客様に「今日はどうしますか?」と聞いて、「お任せで」と言われることもよくあります。美容師を信頼してくださっているのはうれしいのですが、正直なところ困ってしまうというのが本音です。
なぜなら、ゼロの状態からイメージを作り上げるのは非常に難しいからです。せめて「長さ」だけでも決めていただけると、提案の幅が絞られて施術がスムーズに進みます。「肩につくくらいまで」「アゴのラインで」など、具体的な長さを伝えていただくだけでも完成後のヘアスタイルがイメージしやすくなるでしょう。
トレンドで増えた“困るオーダー”
最近、トレンドの影響で増えているのが「白髪ぼかしカラー」のオーダーです。ハイライトやブリーチを使って白髪を目立たなくする技法ですが、実はこれも美容師を悩ませるオーダーのひとつになっています。
施術直後はきれいにぼかせるのですが、髪が伸びてくると根元の白髪がはっきり見えてきます。思ったほどボケていないと感じるお客様も多く、「こんなはずじゃなかった」という不満につながることもあるのです。
白髪ぼかしカラーは定期的なメンテナンスが必要な技法です。事前に説明しても、実際に伸びてきてから気づく方が多いため、慎重なカウンセリングが欠かせません。
施術後の要望に応えられる範囲
施術が終わったあとに、「やっぱりこうしてほしい」と思うこともあるでしょう。美容師としては、できる限り対応したいと思っていますが、物理的に難しい場合もあります。
対応できる範囲は、パーマのかけ直し、カットの切り直し、カラーの色直しです。ただし、カラーで「暗くなったから明るくしてほしい」という要望には対応できない場合があります。暗くなった髪を明るくするには、基本的にブリーチに準ずる処理が必要になるためです。
対応が難しいのは、スタイルそのものを大きく変える要望。ショートにしたけれどやっぱりロングに戻したいといった、物理的に不可能な変更はお受けできません。そうならないためにも、施術前のカウンセリング時に、できるだけ詳細に希望を伝えることが重要です。
美容師としてありがたいのは、SNSや雑誌の写真を見せていただくことです。言葉だけでは伝わりにくいイメージも、写真があれば共有できます。「こんな感じにしたい」という具体的なビジュアルがあると、施術もスムーズに進むでしょう。
なかには技術的なことを指定されるお客様もいますが、実はこれも困ることのひとつ。なぜなら、誤解されている場合がほとんどだからです。
美容の専門用語や施術方法は、同じ言葉でも、美容師によって工程やニュアンスが異なることがあります。SNSや動画で見聞きした情報をもとに細かく指定されても、その方の髪質やダメージ状態、骨格に合っていなければ、かえって仕上がりが理想から遠ざかってしまうことも少なくありません。
美容師はカウンセリングを通して、お客様の「なりたいイメージ」を汲み取り、最適な技術を選択しています。技術そのものを指定するのではなく、「こう見られたい」「ここが気になる」といった希望を伝えていただくほうが、結果的に満足度の高い仕上がりにつながるでしょう。
合同会社サステア・CEO。hair/make COUR代表。滋賀県美容組合副理事長。シャンプーソムリエの資格を持つ現役美容師。今までに向き合ったお客様の数、延べ12万人以上。高校卒業後、兵庫県神戸市のサロンに勤務。その後、滋賀県彦根市にCOURを出店。ヘアショー、各種セミナー、神コレのヘアメイク、雑誌のヘアメイク、メーカーのプロダクトの企画テストなどをこなす。また、シャンプーオタクが作ったリペアシャンプー「サステア」をECサイトにて販売中。
(Hint-Pot編集部)