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「揺れが小さいから大丈夫」は命取り 防災士が警告する震災時の「絶対にやってはいけない」3つの判断ミス
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未曾有の津波被害をもたらした、東日本大震災から今年で15年。記憶を風化させないためにも今、改めて備えを見直すことが大切です。海に面した地域に住んでいる人はもちろん、出張や観光で海の近くを訪れる際にも知っておきたいポイントがあります。津波が発生した際に注意したい行動について、防災士の和栗恵さんが解説します。
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大きな地震がなくても大津波は来る!
一般的に津波は、海底で起きた地震による地殻変動が海水に伝わることで発生します。このときの揺れは陸上でも感じることが多く、「津波の可能性」を察知する手がかりになります。
一方で、揺れが小さいにもかかわらず、大きな津波を引き起こす「津波地震」と呼ばれる現象もあります。断層がゆっくりと滑ることで起こるもので、陸上では揺れを感じにくいのが特徴ですが、海底では大きな変動が起きており、津波として沿岸に到達します。
過去の事例として知られる1896年の明治三陸地震では、揺れは比較的弱かったものの、最大30メートルを超える津波が観測され、最大38メートルの巨大津波が到達しました。38メートルといえば、東京ディズニーシーの「タワー・オブ・テラー」の最高到達点とほぼ同じ。あの高さの波が襲ってくると考えたら……。揺れの大きさだけで安全と判断するのは危険です。
地震の揺れが小さいからと安心せず、必ずテレビやラジオを点けて津波注意報や津波警報を確認。発令されたらすぐ、高台などへ避難しましょう。
津波からの避難 車は使っちゃダメ!
東日本大震災では、車で避難しようとしたことで渋滞が発生し、避難が遅れたケースも指摘されています。道路の混雑によって身動きが取れなくなると、避難のリスクが高まります。
また、水深が深くなると車のエンジンや電気系統が停止する可能性があり、状況によっては車内に閉じ込められる危険性もあります。一般に、水深が30センチ程度でも車が流されるおそれがあるとされています。
大きな揺れを感じたときや津波注意報・警報が発表された際は、原則として徒歩での避難が基本です。運転中に地震が起きた場合は、周囲の状況を確認しながら安全な場所に停車し、車を離れて避難する行動が推奨されています。
なお、避難に支援が必要な高齢者や障がいのある人などについては、自治体が支援体制を整備しています。事前に地域の防災情報を確認しておくことが大切です。
海から10キロメートル離れていても安心できません
津波の危険は沿岸部に限られるものではありません。海岸に到達した津波は川を遡上し、内陸の地域にまで影響を及ぼすことがあります。
2003年の十勝沖地震では、津波が河川をさかのぼり、内陸部まで到達したことが確認されています。また、1854年の安政南海地震では大阪湾に到達した津波が河川を通じて市街地へ流入し、大きな被害をもたらしました。
海から距離がある場所でも「安全」と思い込まず、避難情報が発表された際には速やかに行動できるよう、日頃から備えておくことが重要です。
(和栗 恵)
和栗 恵(わぐり・めぐみ)
防災士・ライフスタイルライター。1970年東京都生まれの B型。雑誌、ウェブ、ドラマCD、ゲームシナリオ制作など、さまざまな媒体を手がける。男女の本質的な違いに着目した独自の恋愛論・結婚論を、ティーン誌、青年誌、ママさん向けウェブなどで展開中。著書にA型夫とB型妻との生活を描いた「毎日がグチLove B型妻 VS A型夫(笠倉出版社)」、「そして、ありがとう…ー犬とわたしの12の涙ー(日本文芸社)」などがある。