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漫画

洪水の緊迫ムード→ふと、辺りを見回すと… バリ島で目撃された「愛すべき能天気」を描いた漫画に反響 「たくましさに感心」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

漫画のワンシーン。水害の避難時に現れた男性に思わず…【画像提供:アマットル・キナ│バリ島×漫画家(@ama_kina)さん】
漫画のワンシーン。水害の避難時に現れた男性に思わず…【画像提供:アマットル・キナ│バリ島×漫画家(@ama_kina)さん】

 世界各地で異常気象が相次ぐ昨今、予期せぬ自然災害に見舞われることは珍しくありません。緊迫した状況下では誰もが余裕を失いがちですが、バリ島で水害発生時に、驚くほどおおらかな人を見かけたというエピソードがX(ツイッター)で4.4万件もの“いいね”を集めて話題になっています。バリ島在住の漫画家で作者のアマットル・キナ(@ama_kina)さんに詳しいお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

救助隊も二度見した驚きの光景

 アマットルさんは、もともとバリ舞踊を学ぶために1~2年滞在する予定で現地を訪れました。しかし、その居心地の良さからそのまま定住。現在は、バリの日常や独特のマナーをテーマにした漫画を制作し、ブログ「南国どぅる~ん日記」をXで発信しています。著書「バリ島に女ひとりで住んでみた。」も話題を呼びました。

 今回、話題になったのは「インドネシア、災害時でも必ずこういう人がいる」と題した漫画です。「近年、異常気象などが原因でバリ島も洪水が頻発するようになった」という説明から始まります。

 描かれているのは、家屋が浸水し、人々が腰まで水に浸かりながら救助を待つ緊迫したシーン。濁った水が押し寄せ、まさに一刻を争う状況です。ところが避難中、目に飛び込んできたのは予想外の光景でした。

 そこには、救助ボートのすぐ脇を、サーフボードに乗ってスイスイと通り過ぎていく男性の姿が。腹ばいになって腕で水を漕ぐパドリングで進んでいきました。これには、救助隊員や不安げにボートに乗っていた被災者たちからも思わず笑みがこぼれました。

 さらに、狭い足場で何食わぬ顔で飲食を楽しむ人の姿も。「必ずと言っていいほど愛すべき能天気がいるのがこの国」という言葉で締めくくられています。

 2つの投稿にわたって公開されたこの漫画には、合計4.4万件もの“いいね”が集まりました。リプライ(返信)には、「この漫画めっちゃわかるわ~(笑)。どんな災害でも商売と遊びを諦めないインドネシア人のたくましさにいつも感心する!」「日本でもいるけど、不謹慎だとかで周りに怒られるんよな」「インドネシア人のこの精神、ほんと尊敬しかない」となどの声が寄せられています。

不謹慎よりも「たくましさ」 作者が語るインドネシアの気質

 作者のアマットル・キナさんに、インドネシアの人々の驚くべき姿についてお話を伺いました。

Q. 今回の漫画を描こうと思ったきっかけは?
「前々から、洪水のたびにそれを逆に楽しんでいるインドネシアの人たちの動画がSNSで流れてくるのを見て、国民性がよく表れているなと感じていました。日本では近年、災害時にそうした行動を取ると『不謹慎』と受け取られることが多いため、その対比が興味深く、漫画にしてみたいと思いました」

Q. 「愛すべき能天気」な人々を見てどう感じますか?
「とても自由で良いなと感じています。大変な状況でありながら、見ているこちらの気持ちまで少し軽くしてくれるようなところがあり、そういう存在は貴重だと思います。また、必要以上に深刻になりすぎず、その場の状況を受け入れて、できる範囲で普段通りに過ごす姿は、とてもたくましく魅力的だと感じています」

Q. ほかに驚いたエピソードはありますか?
「体の半分以上が水に浸かった状態でも、平然と食べ物を売り買いしている人たちがいて、『その状況でも営業するんだ……!』と驚きました。また、飼い猫を濡れないように鳥カゴに入れ、軒下に吊るして避難させている光景も、シュールで印象に残っています」

Q. 今の日本が参考にできることはあるでしょうか?
「日本でもひと昔前までは、災害時であってもどこかにユーモアや軽やかさが見られる場面もあったように感じます。ただ近年は、『こうあるべき』という意識や周囲の目を気にする傾向が強くなり、そうした振る舞いが表に出にくくなっているのかもしれません。もちろんどちらが良い、悪いという話ではありませんが、バリ島で感じる『深刻になりすぎない空気感』や『切り替えの早さ』は、日本人にとっても少し参考になる部分があるのではないかと感じます」

(Hint-Pot編集部)