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「自分を犠牲にするのね」 スイス人が日本人との食事で驚愕 「日本らしい」と感動した気遣いとは
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他者が気持ち良く過ごせるように気遣う日本の文化は、海外から見れば珍しく映ることがあります。なにげない食事風景でさえ、意外な注目を浴びることも。アメリカ・ロサンゼルスに住むYoさんが、現地の生活実情や外国人から見た日本の印象などを綴るこの連載。第34回では、食事中にスイス人が驚いた日本人の行動についてです。
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食事の取り分け方に注目
スイス人の友人たちとロサンゼルスで焼き肉店に行ったときのこと。数人でテーブルを囲んでいたのですが、鉄板から遠い席の人が肉を取りにくい状況でした。
そこで筆者は、日本ではマナー違反とされているものの、箸を上下逆さに使い、肉を取り分けました。本来は取り箸を使うのが望ましいですが、このときはトングが離れた場所にあり、とっさの判断でした。
逆さ箸をすると、スイス人の友人から「あなたの手が汚れるじゃない!」と指摘されました。さらに「自分を犠牲にするのね」と、筆者の行動に驚きを隠せない様子です。
スイスの家庭でも、取り分け用のスプーンやフォークを使うのが一般的なようです。しかし、今回のように「もし、その場でスプーンやフォークの数が足りなかったら?」と聞くと、「う~ん……どうしよう。みんなが使ったフォークがサラダに入ると思ったら……衛生的じゃないわね」と戸惑っていました。
そもそも、ヨーロッパではひとり一皿ずつ注文することが多く、焼き肉のようなスタイルや料理をシェアする文化があまりないため、そうした場面自体が少ないのかもしれません。
友人が感じた日本らしい気遣い
「相手のことを考えて行動するのね。そういう気遣いは、日本らしい考え方なのかもしれないわ」
今回の出来事を振り返り、そう話した友人。逆さ箸そのものは良いマナーとは言えませんが、どうすれば相手に配慮できるかを考えるという姿勢は、友人にとって新鮮で、心に残るものだったようです。
日本で当たり前のように見られるこうした気遣いも、異なる文化の視点から見ると、人を大切にしようとする意識として伝わることがあるのかもしれません。
(Yo)
Yo(ヨウ)
新聞社に5年、ネットメディアに6年勤め、スポーツを中心に取材・執筆・編集活動をしたのちに退職。30代半ばでアメリカ・ロサンゼルスに拠点を移した。大学時代はバックパッカーとしてアジア、南米を放浪。仕事を含めて20か国近く訪れたものの、意思ばかり伝えてリスニングが苦手な一方通行イングリッシュに終止符を打つべく、英語習得にも励んでいるところ。
