ライフスタイル
薬剤師が教える「やってはいけない」薬局の使い方 利用者のプラスになる、知っておきたいマナーとは
公開日: / 更新日:
薬局窓口のやりとりで「大変だ」と感じたケースとは
一方で、窓口でのやりとりが大変なケースも。印象に残っている対応について、浦上さんに伺いました。
「薬の服用の必要性、服用しないことで生じる今後の疾病リスクなどを説明しても、インターネットや一部週刊誌の情報を優先し、服用したくないと訴える患者さんへの説明は大変だったことがありますね。また、供給が低下している薬でも、特別な事情がなく先発のお薬に強くこだわる方もいらっしゃって、時間をかけて対応したことがあります」
疑問を持つことや、納得できるまで説明を求めることはもちろん大切です。ただ、内容によっては対応に時間を要し、結果として混雑や待ち時間に影響が出ることもあるでしょう。
また「だんだん増えていること」として、認知症の患者さんやひとりで来局する高齢の患者さんへの対応を挙げます。
「私のいる薬局では営業時間中、カウンター上の様子を録画していますが、その動画や監査システムの写真などを見せても、薬をもらってないと言い張る方がいらっしゃいます。また、おひとりで来局されて誰にも頼ることができず、心配で何度も同じ質問をされる患者さんも見かけます。対話という点では、ご自身ではわかっていても、話が飛びすぎたり前後したりして、こちらへうまく伝わらないことに怒り出す方もいました」
超高齢社会の日本。こちらは個人のマナーというよりも、社会全体の課題といえそうです。
飲み残した薬がある場合はどうする?
飲み残した薬がある場合、どうしたら良いか疑問に感じたこともあるかもしれません。飲み残しを伝えるのは、失礼にあたるのでしょうか。
「服用していない、服用できないことを医師に伝えることで、不要な薬を減らすことができます。服用回数が少ない薬や、配合剤など服用しやすい薬への変更を提案してもらえる可能性もあるでしょう。逆に必要な薬であれば、なぜ服用しないといけないのかという説明や、服用しないことで考えられる今後のリスクについて解説を受けられます。服用状況を医師と共有することで、血液検査などのデータに現状を反映させることができるので、不必要な増量や追加も避けられるのではないかと思いますよ」
「『医師に良い印象で見てもらいたい』『医師に自分に対して嫌な感じを受けてもらいたくない』と関係性を考え、自分の思っていることを伝えても良いかわからないと相談してくださることもあります。お話を聞いて、治療上医師に伝える必要があれば、その患者さんの考えがまとまり、伝えられるようにアドバイスすることはあります」
薬局は、薬をもらうだけの場所ではありません。患者と薬剤師がお互いに情報を伝え合い、信頼を積み重ねていくことで、より良い治療への道が開けていくのではないでしょうか。
藤崎調剤薬局・薬剤師。2001年、福岡大学卒業。有限会社メディアント取締役。2000年の開局以来、地域医療に根差した調剤と服薬指導に尽力。患者一人ひとりに寄り添い、健康支援を提供したいと考えている。
(Hint-Pot編集部)
