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ベビーカーでエレベーターに乗れない…百貨店が編み出した“秘策” 「他の施設も真似して」と称賛

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著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

新宿伊勢丹の“ベビーカー・車いす専用”エレベーター【写真提供:投稿者】
新宿伊勢丹の“ベビーカー・車いす専用”エレベーター【写真提供:投稿者】

 ベビーカーや車いす利用者が優先エレベーターに乗れないという事案が、SNS上で相次いで報告されています。ネット上では「健康な人は降りてほしい」「あくまで優先。エレベーターは子連れだけのものではない」など度々議論に。そんななか、伊勢丹デパート新宿店が導入した「車いす・ベビーカー専用」のエレベーターが、子育て世代の間で大きな話題を呼んでいます。三越伊勢丹の広報部に、導入の経緯を聞きました。

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「心理的なハードルが上がる」押しボタンの上に透明な保護カバーを取り付け

「新宿伊勢丹のベビーカー専用エレベーターな上に
ボタンにカバーついてて開かないと押せなくなってるんだ
常に空いてて効果絶大だった サイクォーやん全施設やってよ!!!」

 今月上旬、新宿伊勢丹が導入する「専用エレベーター」の写真がSNS上で拡散。扉の前や上部、押しボタンには、はっきりと目立つ位置に「専用エレベーター EXCLUSIVE」の文字が記載され、押しボタンには上にはね上げる方式の透明な保護カバーが取り付けられています。また、扉には「こちらのエレベーターは、車椅子やベビーカー・体の不自由なお客さま専用とさせていただきます」「このエレベーターを必要とされるお客さまがいます。車椅子やベビーカー・体の不自由な方にお譲りくださいますよう、お願い申し上げます」とのメッセージがつづられています。

 投稿には反響が続々。「これはすごい! カバーがあるだけで心理的なハードルが上がって、本当に必要な人だけが使いやすくなりますね」「他の施設も真似してほしい」「優先じゃなくて専用でいいよね」「駅の少し幅が広い改札もベビーカー、車椅子専用にしてほしい」といった称賛の声が多数寄せられています。

 2歳と0歳の2人の息子を育てる投稿者の女性は、「Hint-Pot」の取材に「数台あるエレベーターうちの1台に、このように透明のカバーがされていました。各階同じ仕様で、エレベーター入り口と内部の両方に大きく専用表記がありました」と専用エレベーターの詳細を説明。

 その上で「エレベーターを必要とする人が乗れず、長時間待つ状況は少なくありません。その原因が本来は階段やエスカレーターを使える人の利用にあるなら、『エレベーターがなければ移動できない人のための設備』だと明示することは、理解を促すうえで合理的だと思います。特に百貨店のようにさまざまな人が訪れる場所では言葉による説明だけでは限界があるので、今回のように物理的なカバーや視覚的な仕掛けがあることは効果的なアプローチだと感じました」と受け止めを語っています。

 三越伊勢丹の担当者は、エレベーター改良の経緯について「専用エレベーター自体は以前から導入されていましたが、なかなかエレベーターに乗れないというお客さまからの声をいただき、昨年10月頃、スタッフで相談し、全体の表示やカバーがあることで認識力が高まるのではないかということでこの案を採用いたしました」と説明。現時点では直接の反響はないものの、SNSなどでは多くの好評の声を確認しているといい、「現在の形が完成形ではないと思っており、今後もお客様により気持ちよくご使用いたけるように考えていきたいと思っております」と話しています。

 ボタン一つに取り付けられた透明なカバー。その小さな工夫が、今後の社会全体のバリアフリーを考えるきっかけになるかもしれません。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)