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「日本人はおもしろい(笑)」 フランス人が私物を壊されるも感心 「大切だと思う」日本の習慣とは
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自分に非があるとき、まず謝る姿勢は、日本ではごく自然な行動のひとつ。頭を下げ、言葉で誠意を伝える──そうした振る舞いは海外でもよく知られていますが、驚かれることもあるようです。アメリカ・ロサンゼルスに住むYoさんが、現地の生活事情や外国人から見た日本の印象などを綴るこの連載。第36回は、フランス人の印象に残った日本人の謝罪についてです。
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サングラスを壊した日本人が何度も謝罪
筆者が通う語学学校での出来事。日本人の女子生徒が、フランス人男子のサングラスを試しにかけてみたところ、誤って落としてしまい、左右ともに丁番部分が折れてしまいました。焦った彼女は、その場で「Sorry!!」と声を上げます。
申し訳なさそうに何度も頭を下げる彼女に対し、持ち主は「大丈夫。まったく気にしていないよ」と穏やかに応じました。「たった2ドルの安物だよ。もともと少し壊れていたから、接着剤でくっつけていたんだ」と笑顔でなだめたといいます。ところが数時間後、彼のスマートフォンに彼女からメッセージが届きました。
「見てよ。彼女がまた謝ってくれたよ。しかも、1つのメッセージに4つも『Sorry』が入っている。日本人はおもしろいね(笑)」
彼にとっては、すでに解決した出来事。それでも繰り返し謝る日本人の姿が、印象的だったようです。
日本では、相手が「気にしていない」と言ってくれても、自分の中でけじめをつける意味も込めて謝罪を重ねることがあります。彼女にも、場の空気を整えたい、相手の気持ちにしこりを残したくないという思いがあったのかもしれません。
フランス人が感銘「日本人は丁寧だね」
「やっぱり日本人は丁寧だね」と、彼にも誠意は伝わっていました。母国との違いについて、こう話します。
「フランス人は人によって2回謝るときもあるけど、1回で十分だよ。やりとりはそこで終わっているし、相手が許しているならそれ以上は必要ない。今回だって、僕はその場で許しているんだから。でも、日本人のように相手を思うことは大切だと思う。日本人の人柄が伝わってくる出来事だった」
謝罪の回数や受け止め方は文化や個人によってさまざまです。ただ、自分に非があると感じたとき、すぐに言葉にして伝えようとする姿勢は、日本社会の人間関係を円滑にしてきた一面でもあるでしょう。
日本では、日常のさまざまな場面にも、他者への配慮を重んじる姿勢が見られます。何度も謝るという行動も、その延長線上にあるもの。小さなひと言を重ねることで関係を整えようとする感覚は、日本らしい丁寧さの表れと言えるのかもしれません。
(Yo)
Yo(ヨウ)
新聞社に5年、ネットメディアに6年勤め、スポーツを中心に取材・執筆・編集活動をしたのちに退職。30代半ばでアメリカ・ロサンゼルスに拠点を移した。大学時代はバックパッカーとしてアジア、南米を放浪。仕事を含めて20か国近く訪れたものの、意思ばかり伝えてリスニングが苦手な一方通行イングリッシュに終止符を打つべく、英語習得にも励んでいるところ。
