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米ぬかだけじゃダメ? タケノコのアク抜きに欠かせないもうひとつの食材 栄養士が解説するおいしく仕上げるコツとは
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教えてくれた人:和漢 歩実

タケノコといえば、春を感じる食材の代表格。この時期、店頭には皮付きのまま丸ごと並ぶことも多く、旬の味わいを食卓で楽しむ方もいるでしょう。タケノコのアク抜きには米ぬかに加えて、唐辛子を入れる方法がよく知られていますが、なぜ入れるのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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米ぬかとセットで使うことが多い
タケノコは、掘りたての新鮮な状態で生食されることもありますが、一般的には生では食べません。収穫された直後からアクが出始めるためです。タケノコのアクには、えぐみの原因となるシュウ酸やホモゲンチジン酸などの成分が含まれています。そのため、通常はゆでてアク抜きをしてから調理します。
このとき、使われることが多いのが、米ぬかと唐辛子です。昔から伝わる先人の知恵ですが、現代の栄養学の観点から見ても、理にかなった方法といえるでしょう。米ぬかに含まれるカルシウムがシュウ酸に作用し、えぐみを和らげるほか、米ぬかの粒子がアク成分を吸着すると考えられています。
また唐辛子には、カプサイシンと呼ばれる辛味成分に殺菌効果もあるため、傷みやすいタケノコの腐敗を防ぐ効果が期待できるでしょう。臭みを軽減する効果もあり、ぬか独特のにおいを和らげるといわれています。アクを抜くという観点では、唐辛子は「絶対に必要」なものではありませんが、おいしく仕上げるためには、一緒に使ったほうが良いでしょう。
旨みを逃さないため、アク抜きは皮つきのままで
タケノコのアク抜きは、難しい印象があるかもしれませんが、コツを覚えればそんなことはありません。基本は、旨みを逃さないために皮つきのまま行います。外側の泥がついた皮を2~3枚だけむいたら、皮をつけたまま下処理します。
まず、根元の硬い部分と穂先5センチほどを斜めに切り落としたら、火を通りやすくするために皮ごと中央に縦に切り込みを半分入れます。そして鍋にタケノコを入れたら、かぶるくらいの量の水、米ぬかひと握りと唐辛子を入れて、落としぶたをして沸騰させましょう。
米ぬかがない場合は、米のとぎ汁、または生米でも代用できます。沸騰したら1時間ほど弱火にかけます。根元の太い部分に竹串を刺し、スッと通るようになったらOKです。火を止めて、そのまま冷まします。
冷めたら、タケノコを取り出し、皮をむき、縦半分に切ります。フタ付きの容器やジッパー付きの保存袋にタケノコと、タケノコが完全に浸る量の水を入れて冷蔵庫で保存します。水を替えながら、1週間ほどで食べ切りましょう。
部位ごとに違う食感を楽しもう
タケノコは、部位ごとに食感が違うのも楽しみのひとつです。先端のやわらかい部分は、和え物や炊き込みごはんに向きます。中央部は煮物や炒め物、揚げ物に使うと、タケノコ本来の食感が味わえるでしょう。根元は繊維が多く硬いので、食べやすく薄く切り、揚げたり、炒めたりするのがおすすめです。
アク抜きはひと手間ですが、この時期のタケノコは格別です。春の訪れを感じながら、旬の味覚を楽しみましょう。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾