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トマトジュースとニンジンジュース 毎日飲むならどっち? 賢い取り入れ方のコツを栄養士に聞いた
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:和漢 歩実

健康のために、野菜ジュースを飲んでいる人もいるでしょう。代表的なものに、トマトジュースとニンジンジュースがあります。どちらもヘルシーなイメージがありますが、含まれる栄養素には違いが。毎日飲むとしたら、どちらを選ぶと良いのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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それぞれに栄養面の特徴がある
まず、トマトジュースやニンジンジュースには、それぞれ特有の栄養素や健康成分があります。選ぶ際のヒントとして押さえておきましょう。
トマトジュースは、抗酸化作用を持つリコピンを含むことで知られています。トマトの赤い色の成分で、活性酸素の働きを抑える抗酸化作用があり、生活習慣病予防が期待されます。体内の余分なナトリウムや水分の排出を促すカリウムも含まれているのが特徴です。商品によっては、塩が添加されているものもあるので、成分表示を確認しましょう。
一方、ニンジンジュースは、βカロテンが豊富なことが挙げられます。βカロテンは、必要時に体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の健康維持に役立つ栄養素です。トマトジュースと同様にカリウムも含まれており、体内の余分なナトリウムや水分の排出を促します。
毎日飲むなら、どちらが取り入れやすい?
トマトジュースにもニンジンジュースにも、それぞれ良さがあります。ただし毎日飲むというと、気になるのはカロリーや糖質かもしれません。
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年をもとにコップ1杯(200グラム)を比較すると、トマトジュース(食塩無添加)は36キロカロリーで糖質は6.6グラム、ニンジンジュースは58キロカロリーで糖質は13.4グラムです。ニンジンジュースのほうが、糖質が多く、カロリーは高めになるので、カロリーが気になる人にはトマトジュースのほうが取り入れやすいといえるでしょう。
しかし、ニンジンジュースには、前述のβカロテンが圧倒的に多いという特徴があります。コップ1杯(200グラム)あたりでみると、トマトジュースのβカロテン当量が620マイクログラムなのに対し、ニンジンジュースは9000マイクログラムです。
またカリウムも、トマトジュースが520ミリグラムなのに対し、ニンジンジュースは560ミリグラムとやや多めです。普段あまり緑黄色野菜を食べない人は、ニンジンジュースを選ぶのも良いでしょう。
効率的に栄養をとるには
リコピンやβカロテンは脂溶性の成分なので、油脂を含む食事と一緒にとると取り入れやすくなります。たとえば、朝食であれば、バタートーストや油を使った卵料理などを一緒にとったり、ジュースに少量のオリーブオイルを加えて飲んだりするのも良いでしょう。
ジュースはすぐに飲める手軽さがありますが、それだけで必要な栄養をすべてまかなえるわけではありません。それぞれの野菜にビタミンやミネラル、食物繊維などさまざまな栄養素が含まれているため、毎日の食事のなかで野菜そのものも意識して多種類とることが大切です。トマトジュースもニンジンジュースも、あくまで補助として上手に取り入れると良いでしょう。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾
