Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

ライフスタイル

「前日の夜に出すのは禁止」張り紙を無視…引っ越し先のゴミ出しで口論 これって問題?

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:坂本 尚志

ゴミ出しルールを守らないのは、法的な問題になる?(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
ゴミ出しルールを守らないのは、法的な問題になる?(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 新年度は引っ越しシーズンでもあります。新しい地域で生活を始めると、戸惑うのがゴミ出しのルールです。「朝〇時まで」「前日の夜は不可」など、自治体や地域によって細かな決まりがあることも少なくありません。こうしたルールをめぐり、近隣住民と感情的なトラブルに発展するケースもあるようです。新生活で誰もが直面しうる「ゴミ出し」のルール違反について、弁護士の坂本尚志先生に話を聞きました。

 ◇ ◇ ◇

多忙が招いた予期せぬトラブル

 今年の春、転勤で新しい街に引っ越してきました。仕事が忙しく、帰宅はいつも夜遅い時間になります。ゴミ収集日は朝なのですが、出勤時間が早いため、私には朝にゴミ出しをする余裕がありませんでした。

 ゴミ置き場には「当日朝に出してください」という張り紙がありました。でも、実際には夜のうちに出されているゴミも少なくありません。「みんな出しているし、大丈夫だろう」そう思って、私はいつも前日の夜にゴミを出していました。

 ところが、ある日の夜のことです。いつものようにゴミ置き場に行くと、近くに住んでいるらしい男性から突然声をかけられました。

「ちょっと、ここは前日の夜に出すのは禁止なんですよ」

 驚きましたが、「すみません、忙しくて朝出せないもので」と答えました。すると、その男性は少し強い口調で畳みかけてきたのです。

「張り紙もしてありますよね。何度もこういう人がいるから困るんです。次からは自治会と管理会社に言いますからね」

 その場は平謝りして帰りましたが、確かにルールを守らなかった私にも落ち度はあるものの、そこまで強く言われなければならないのかと、正直モヤモヤした気持ちが残りました。

ゴミ出しルール 繰り返すと迷惑行為になる可能性も

 こうした日常的なルール違反について、弁護士の坂本尚志氏は次のように説明します。

「ゴミ出しの時間や方法は、多くの場合、自治体の条例や地域のルールによって定められています。決められた時間より前に出す行為は、明確なルール違反とされることがあります」

 一度の違反でただちに刑事罰が科されるケースは稀ですが、軽く考えるのは危険だと坂本弁護士は指摘します。

「張り紙などで繰り返し注意されているにもかかわらず、意図的にルール違反を継続し、カラスによるゴミの散乱や悪臭などで近隣の生活環境に悪影響を与えた場合、民事上の不法行為(迷惑行為)として責任を問われる可能性があります。また、態様によっては、軽犯罪法の『公共の場所を汚染する行為』に抵触する恐れも否定できません」

 しかし、法的な処罰以上に注意すべきは「近隣関係の悪化」そのものです。

「ゴミ出しは地域の生活環境に直結する問題であるため、周囲の住民は非常に敏感です。法的責任を問われる前に、近隣トラブルとして深刻な対立を生み、その場所で暮らしにくくなってしまうケースも。引っ越しをした際は、自治体の案内だけでなく、管理会社や掲示板などでその場所独自のルールを改めて確認しておくことが、結果として自分自身の生活を守ることに繋がります」

 新生活を円滑に進めるためには、地域ごとの生活ルールを尊重し、不要な対立を避けるための配慮が不可欠だといえそうです。

※本記事に記載された事例は、特定の事実関係に基づくものではなく、想定ケースとして構成されたものです。実在の相談・事件・人物等とは一切関係ありません。

(Hint-Pot編集部)

坂本 尚志(さかもと・たかし)

弁護士。清陵法律事務所所長。プロボクサー。東京大学法学部卒業。詐欺・消費者問題に注力。https://seiryo-law.com/