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「めかぶ」と「もずく」 毎日食べるならどっちがいい? 栄養士に聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実

体に良いイメージのある「めかぶ」と「もずく」。ともに海藻類で、見た目も似ていることから、店頭で購入する際に、どちらを選んだら、より良い栄養を得られるか迷うことがあるかもしれません。毎日食べるとしたら、どちらが良いでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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もずくは低カロリー、めかぶのほうが栄養価は高い
一見同じように感じますが、めかぶはワカメの根元付近にある胞子葉と呼ばれる緑色のひだ状の部分で、もずくは茶褐色の糸のような細い形状をした海藻です。含まれる栄養成分に共通点は多いものの、栄養価については違いがあります。日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(可食部100グラムあたり)の数字を基に比較してみましょう。
○エネルギー
めかぶ:14キロカロリー
もずく:4キロカロリー
○カルシウム
めかぶ:77ミリグラム
もずく:22ミリグラム
○カリウム
めかぶ:88ミリグラム
もずく:2ミリグラム
○葉酸
めかぶ:36マイクログラム
もずく:2マイクログラム
○食物繊維
めかぶ:3.4グラム
もずく:1.4グラム
めかぶのほうが、栄養価が高めです。なかでも骨の健康に欠かせないカルシウムが約3.5倍、体の余分な塩分や水分を調整し血圧を正常に保つ作用のあるカリウムが44倍多く含まれています。より多くの栄養を摂取したい人はめかぶ、より摂取カロリーを抑えたい人はもずくを選ぶのが良いといえるでしょう。
海藻特有のネバネバ成分も含む
さらに、めかぶももずくも海藻特有のネバネバ成分である水溶性食物繊維を含みます。なかでもアルギン酸やフコイダンは、腸内環境を整えるほか、食後の血糖値やコレステロール、血圧の上昇を穏やかにするなど生活習慣病予防が期待されている成分です。
近年、海藻に含まれる成分についてはさまざまな研究が進められています。アルギン酸には塩分の吸収を抑える働きなどが報告されており、フコイダンについても免疫機能の活性化などさまざまな機能性が注目されています。
アルギン酸がより多いのはめかぶ、フコイダンがより多いのはもずくです。期待される効果を発揮させるためには、食事の最初に食べるのが良いといわれています。アルギン酸をより多く含むめかぶは、食後の血糖値やコレステロールが気になる人に向いています。一方、フコイダンをより多く含むもずくは、免疫機能の活性化に注目したい人に良いでしょう。
ただし、パックに入って売られているものは、タレや酢などの調味料で味つけされているものもあります。糖質や塩分の量が少なくないので、汁を残したりする工夫をしましょう。野菜や納豆と和えたり、冷ややっこや麺類のトッピングにしたりしても合います。味がついていないものであれば、みそ汁やスープなどに加えてもおいしいです。
毎日食べるならどちらが良いのかについては、優劣つけがたいですが、栄養価を重視するならめかぶ、カロリーを抑えたいならもずくが向いています。ただし、どちらも水溶性食物繊維を含み、それぞれの栄養メリットを得られます。味つけや食べ方に気をつけながら、目的や好みに合わせて無理なく取り入れると良いでしょう。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾
