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「凍ったまま入れる」のはNG? 冷凍ブロッコリーに潜む食中毒リスクと長持ちさせる保存のコツを栄養士に聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実

新年度が始まり、お弁当作りを始めた人もいるでしょう。一方で、気温が上がり始めるこの時期は、食中毒リスクが高まる季節でもあります。お弁当に彩りをプラスするおかずとして常備しやすい冷凍ブロッコリーですが、なにげない扱い方に、衛生面での“危険”が潜んでいることも。冷凍ブロッコリーで気をつけたいポイントについて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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衛生面でのリスクにつながる行為とは
今年4月から、国の「指定野菜」に15品目目として正式に追加されたブロッコリー。全国的に流通し、消費量も多い身近な野菜です。栄養価や彩りも良く、保存性がある冷凍ブロッコリーは、必要な分だけ取り出して使えることから、お弁当のおかずとしても重宝します。
その一方で、便利だからこそ、なにげなくやっていることが衛生面でのリスクにつながることがあります。もっともやりがちなことは、冷凍ブロッコリーを袋から取り出す際に「素手で触る」ことです。
手には、さまざまな細菌が付着しており、なかには食中毒の原因になる菌もいるため、注意が必要です。袋の中に手を入れることで、残りのブロッコリーにも菌が付着する可能性もあります。冷凍保存は菌の増殖を抑える働きはありますが、菌そのものをなくすわけではありません。
袋から取り出す際は、清潔な箸やトングなどを使うようにしてください。もちろん冷凍ブロッコリーに限らず、お弁当作りでは素手で食品を触らないようにしたほうが安心です。とくにお弁当は、作ってから食べるまでに時間があくことがほとんど。気温が上がるこれからの季節は、食中毒のリスクも高まるので、注意しましょう。
「凍ったまま入れる」「調味料をあらかじめつける」のもNG
そのほか、気をつけたいことは、冷凍ブロッコリーを「凍ったまま入れる」ことです。市販のものでパッケージに「自然解凍OK」の表示があるものを除き、お弁当に使う際は、加熱をするのが基本です。
冷凍ブロッコリーは自家製も含め、すでにゆでてあるものがほとんどですが、食中毒予防の観点から、お弁当のおかずは再加熱して使うことが推奨されています。たとえば前の晩から冷蔵庫に移して解凍している人もいるかもしれませんが、その場合も再加熱してください。
再加熱に手軽なのは、電子レンジです。凍ったままのブロッコリーを、キッチンペーパーに包んで耐熱皿にのせ、電子レンジで温まるまで加熱しましょう。余分な水分を除くことができます。再びゆでる人もいるかもしれませんが、ビタミンCなど水溶性の栄養素が流出し、食感もやわらかくなりすぎるので、おすすめしません。
いずれにしても、冷凍ブロッコリーは自然解凍OKの表示がない限り、電子レンジで再加熱して使いましょう。水分をよく取り、しっかり冷ましてからお弁当箱に入れてください。
また、お弁当のブロッコリーにマヨネーズやドレッシングなどの「調味料をあらかじめつける」のも気をつけたい点です。調味料を和えることで水分が出やすくなり、時間の経過とともに傷みやすくなります。お弁当箱内のほかの食品にも影響がでないように、調味料は別添えにし、食べる直前につけるほうが安心です。
お弁当は、慌ただしい朝の時間のなかで作ることも多いでしょう。ついうっかりが食中毒リスクにならないよう、冷凍ブロッコリーも扱い方に気をつけながら、上手に活用したいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾