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「10度低いほうが良い」 まさかの助言から3日後の“最高評価”へ カフェ店員と外国人客が紡いだコーヒーの絆に8.8万人喝采
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一杯のコーヒーをきっかけに、言葉を超えた温かな交流が生まれることがあります。あるカフェ店員がX(ツイッター)に投稿した1枚の写真が、8.8万件の“いいね”を集め大反響を呼びました。そこに写っていたのは、外国人観光客が差し出したスマートフォンの画面。最上級の感謝が綴られたメッセージの背景には、3日間の物語がありました。投稿者のありあまるソイ(@ariamarusoy)さんに詳しいお話を伺いました。
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ひとくち飲んだ直後、翻訳アプリに表示された「10度の差」
ある日、ありあまるソイさんが勤めるカフェに、50~60代くらいの外国人男性が訪れました。男性のオーダーは、エスプレッソを3ショットも使った、かなり苦めのカプチーノ。ありあまるソイさんは、その注文に応じてエスプレッソを抽出し、カプチーノを提供したといいます。
ところが、そのカプチーノをひとくち飲むなり、男性は翻訳アプリを使って意外な言葉を投げかけました。
「カプチーノの温度は、あと10度くらい低いほうが良い」
決して怒っている様子ではなく、非常に具体的なアドバイスに「もしかすると、バリスタの方かもしれない」と直感したそうです。
「すぐに作り直しを提案しましたが、謙虚にお断りされてしまいました。『また明日も来るからね』とおっしゃってくれて。ただ、このままで申し訳なく、苦めのカプチーノによく合う、小さな自家製ガトーショコラをサービスとして提供しました」
男性は笑顔で店を後にし、翌日も約束通り来店。同じカプチーノを注文したといいます。ありあまるソイさんは、前日のアドバイスを心に留め、次の一杯を提供しました。男性は前日のガトーショコラが気に入った様子でオーダー。言葉の壁を越えた心地良い交流が続いていきました。
3日目の退店際、画面に映し出された最高のギフト
翌々日も、ほぼ同じ時間に来店し、同じオーダーをしたという男性。カプチーノを飲み終えると、ありあまるソイさんにそっとスマートフォンの画面を差し出しました。そこには、ドイツ語の原文とともに、日本語に翻訳されたメッセージが並んでいました。
「コーヒーをありがとうございました。今日は今までで一番美味しかったです」
原文にあった「mit Abstand am besten(ずば抜けて一番)」という表現こそ翻訳しきれていなかったものの、そこにあったのは間違いなく最上級の褒め言葉でした。
「3日間、毎日お越しになられ、とてもフレンドリーで笑顔が素敵な方でした。マイナスなイメージをマイナスなままでお帰りいただきたくないので、無事にクリアできて良かったです。最後にあんなに喜んでいただけて、本当にうれしかったです」
一杯のコーヒーを通して、もっと喜んでもらいたいという思いと心遣いが、温かな交流を生んだ3日間。この投稿には8.8万件もの“いいね”が集まり、リプライ(返信)には「文句じゃなくて『また来る』と言ってくれるのが一番うれしい」「この翻訳よりも実際はもっとべた褒めしている」といったコメントが寄せられています。
ありあまるソイさんは現在、カフェに勤務する傍ら、自身の夢でもあったカフェを間借り営業中。毎週日曜日に、大阪市内の「Breakfast Lovers Club」で、“今日のはじまりがちょっとうれしくなるような朝食”や、新鮮な野菜やフルーツを提供しています。
(Hint-Pot編集部)