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生卵とゆで卵 毎日食べるならどっち? 栄養士が教える食べ方のコツとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

栄養豊富な卵(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
栄養豊富な卵(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 栄養価の高さから「完全栄養食品」ともいわれる卵。日々の食卓に欠かさず取り入れている人もいるでしょう。効率良く栄養メリットを得るために、生で食べるのと、ゆで卵にして食べるのでは違いがあるのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

良質なたんぱく質を含む食品

 卵は、ビタミンCと食物繊維を除いた栄養素を含む食品で、「完全栄養食」と呼ばれるほど栄養バランスに優れています。代表的な栄養素は、良質なたんぱく質です。筋肉や血液、骨、皮膚、髪など、体づくりに欠かせません。そのほか、リノール酸やオレイン酸といった不飽和脂肪酸、ビタミンDやビタミンB群、鉄、亜鉛など、健康維持やエネルギー代謝、体の機能を支えるビタミンやミネラルも含んでいます。

 生卵で食べても、ゆで卵で食べても、栄養価は大きくは変わらず、毎日食べる場合でも、どちらか一方が明確に優れているわけではありません。しかし、エネルギー代謝などを助けるビタミンB群は、水溶性で熱に弱い性質があります。微量ですが、少しでも損失を避けたいならば、生卵のほうが向いています。ゆで卵で食べる場合は、時間が長い固ゆでより、半熟のほうが良いでしょう。

 栄養面では大きく変わらない卵ですが、消化時間でいうと違いがあります。100グラムあたりの胃内の停滞時間は、生卵が約2時間30分、半熟卵が約1時間30分といわれています。胃腸の負担を減らしたい場合は、生卵よりも消化の良い半熟などのゆで卵にして食べるのがおすすめです。

卵の賞味期限とは?

 購入してきた卵は、パックごと冷蔵庫の奥で保存しましょう。卵の殻にサルモネラ菌などの細菌が付着している可能性がゼロではないため、ほかの食品に触れにくい状態で保管すると衛生的です。さらに卵は気孔から水分やガスなどを発散すると同時に、外気も取り込んでいます。パックから出して、むき出しのまま卵を冷蔵庫に保存すると、近くにある食品のにおいが移ってしまうことがあります。

 生で食べる際は、賞味期限内の新鮮な卵を使い、割ったらすぐに食べ切るようにしましょう。卵のパックに書かれているのは賞味期限で、これは「冷蔵保存の卵を生で食べられる期限」のことです。うっかり期限が切れてしまったら、加熱して早めに食べましょう。

 ゆで卵を作る際は、新しい卵よりも古い卵を使ったほうが殻をむきやすいといわれています。理由は、新しい卵は炭酸ガスが多く、加熱すると膨張して卵白が薄皮に張り付くためです。新しい卵をゆでた場合、ゆであがった直後は皮をむきにくいので、水に浸けるなどして時間が経過するのを待ちましょう。殻の穴(気孔)から炭酸ガスが抜けるので、皮をむきやすくなります。

 また、卵はゆですぎると卵黄の周囲が黒ずむことがあります。卵白に含まれる硫化水素と卵黄に含まれる鉄が化合し、硫化第一鉄という物質が生じるためです。体に悪いものではないので、食べても問題ありません。

 生卵は加熱による栄養素の損失を抑えやすく、ゆで卵は消化のしやすさで取り入れやすい食べ方です。それぞれの特徴を知り、日々の食事に取り入れたいですね。

【参考】
「新調理師養成教育全書」第2巻「食品と栄養の特性」(全国調理師養成施設協会)

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾