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安定して見えても油断禁物 厚底靴で足首をひねると重症化しやすい理由とは 整形外科医が解説
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教えてくれた人:前田 俊恒

近年、幅広い世代でトレンドとなっているのが「厚底靴」です。「安定している」「脚長効果があるのに楽」などと、オンオフ問わず履いている人もいます。しかし、選び方を間違えると、そこには意外な医学的“落とし穴”が潜んでいるようです。外出先で歩く距離が増える時期に合わせ、知っておきたい厚底靴のリスクと対策について、まえだ整形外科リウマチクリニック院長の前田俊恒先生に、専門医の視点から語っていただきました。
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足首が不安定でバランスを崩すことも
クリニックで日々、患者さんを診ていて、最近非常に気になっているのが厚底靴によるトラブルです。厚底靴は一見、安定しているような構造をしていますが、実は医学的に見ると、足首を非常に不安定にさせる乗り物のようなものといえるでしょう。
その大きな理由は、接地面と足の距離が離れることによるバランスの低下にあります。通常の靴に比べて地面までの高さが増すことで、体の重心が高くなり、わずかな傾きでも足首にかかる回転力(モーメント)が、想像以上に大きくなってしまうのです。
さらに、もうひとつ見逃せないのが、足裏の感覚の鈍化です。通常、足裏の神経は、地面の小さな凹凸や傾斜を敏感に感知して無意識にバランスを取っていますが、ソールが厚くなるとこの「固有感覚」が鈍くなり、地面の状態を脳が正確にキャッチできなくなります。
結果として、足首の細かな調整が間に合わず、歩いていて「グキッ」と一気にバランスを崩しやすくなります。
足をひねってしまうと、通常の靴よりも重症化するおそれ
このような構造から、厚底靴を履いて足をひねってしまった場合、普通の靴よりも重症化しやすい傾向にあります。
足底が高くなることで、てこの原理のように足首にかかる回転力が増幅されるため、同じ角度でひねっても、靭帯にかかる負担が普通の靴より大きくなります。とくに、足の外側にある靭帯には強いストレスがかかりやすく、完全断裂に至るケースも少なくありません。
さらに注意したいのが、靭帯が骨の一部を一緒にはがしてしまう「剥離骨折」です。また、転倒すれば膝や股関節など、足首以外のけがにつながることもあります。「たかが捻挫」と侮れないのが、厚底靴の怖さなのです。