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しっかり加熱したのに… 弁当にチャーハンを入れるのはNG? 注意したい食中毒の“落とし穴”

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

弁当箱に詰めたチャーハン(写真はイメージ)【写真:写真AC】
弁当箱に詰めたチャーハン(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 学校や職場だけでなく、お出かけ先に弁当を作って持っていく人もいるでしょう。一方で、気温や湿度が上昇する時期に、より注意したいのが食中毒です。しっかり加熱していても、油断できないケースもあるといいます。どんなことに気をつけたら良いのか、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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常温放置でセレウス菌が増殖する可能性も

 気温も湿度も上昇してくるこれからの時期は、細菌にとって、増殖の好条件になります。家庭での細菌による食中毒を防ぐためには、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という3つが原則です。

 そのなかで一般的な予防法として知られているのが、「加熱調理」です。肉や魚などを調理する際は、よく火を通すことで、食中毒の原因となる細菌を減らすことができます。そのため「食中毒に注意が必要なのは生ものだけ」と考えがちですが、実はしっかり加熱しても、調理後の扱い方によってはリスクが高まります。

 とくに注意したいのが、チャーハンのようなごはんものです。米や小麦などの穀類には、セレウス菌が付着していることがあります。セレウス菌は熱に強い芽胞を作るため、加熱しても生き残る場合も。調理後に常温のまましばらく放置しておくと、残った菌が増殖し、食中毒につながることがあるのです。

 セレウス菌に起因する穀類を原料とした食中毒は、海外では「チャーハン症候群」と呼ばれることもあるようです。調理済みの米飯を、常温で長時間置いたことが原因とされるケースが知られています。

 もちろん、チャーハンそのものが危険な食品というわけではありません。ただ、気温が高い時期のお弁当では、チャーハンのような具材が入ったごはんは、できれば避けたほうが安心でしょう。通常の白米と比べると、具材が入る分、傷みやすくなりがちです。また、セレウス菌以外の食中毒リスクにも気をつける必要があります。

 気温が高い季節の弁当のごはんは、白米のほうが無難です。ごはんに味をつけたいときは、個包装のふりかけなどを持っていき、食べる直前にかけるのが良いでしょう。

調理後に常温で放置しないことが大切

 弁当やチャーハンに限らず、白米やおかずでも、調理後の扱い方によっては食中毒のリスクが高まります。「火を通したから大丈夫」ではありません。調理後にすぐ食べない場合は、常温で放置せず、素早く冷まして冷蔵保存することを心がけてください。

 平たい皿やバットに移すと、熱が逃げやすくなります。皿やバットの下に保冷剤を敷くと、冷めやすくなるのでおすすめです。さらにうちわであおぐと、より素早く冷ますことができます。

 弁当は、作ってから食べるまでに時間が空くものです。気温が高い時期は、できるだけ傷みにくい食品を選び、しっかり加熱し、十分に冷ましてから弁当箱に詰めるのが基本です。食中毒対策を意識して、楽しみたいですね。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾