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「西郷隆盛に近付きたい」 鹿児島への“移住”を選んだ女性 ソムリエや着付けも学んだ自分らしい生き方とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・風間 久志

西郷隆盛に憧れ鹿児島へ移住した安川あかねさん【写真:Hint-Pot編集部】
西郷隆盛に憧れ鹿児島へ移住した安川あかねさん【写真:Hint-Pot編集部】

 近年、都会から田舎へ移住する人や移住に関して興味を持つ人が増えてきている。鹿児島県に住む安川あかねさんも、首都圏から地方へと移住した1人。20代で父親の本棚にあった「西郷隆盛」を題材とした本と出会い、西郷隆盛に魅了され、故郷の横須賀から鹿児島へと移住。鹿児島で結婚、出産し、仕事もこなしている。20年近く経つ現在は、本職であるホテルスタッフとして働く傍ら、西郷隆盛についての講演や紙芝居なども行っている。前編では、1冊の本をきっかけに西郷隆盛に夢中になるまでを聞いたが、後編では移住での具体的な体験や移住後の思いに迫る。

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鹿児島への旅行を7年ほど続け、27歳で決めた移住

 西郷隆盛に夢中になってからというもの、頻繁に鹿児島へ旅行するようになった安川さん。

「鹿児島への旅行は何もかもが新鮮で。『西郷隆盛生誕の地』をはじめ、いろいろな所を見て、いろいろな話を聞いて。横須賀へ戻ってくると、またすぐ鹿児島に行きたいと思うようになって。それで半年後にまた行って、戻ってくるとまた行きたくなっての繰り返し。『それなら年に2回は必ず行こう、そのうち1回は西郷隆盛の命日に合わせてお墓参りに行こう』と決めたんです」

 こうして年に2回は鹿児島への旅行に行く生活を7年ほど続けた。西郷隆盛にまつわる史跡もほぼ行き尽くし、関連する本もほぼ読んだ中、ふとある思いが頭をよぎったという。

「当然、西郷隆盛に関する知識は増えていったのですが、本質が掴めていないのではないかと。どうしたら西郷隆盛にもっと近付けるのだろう? と考えたら、現地に住んでみないと分からない風土とか、四季の移ろいを肌で感じるとか、桜島を毎日見つめるとか、そういうことをしてみないと、きっと近付けないと思ったんです。それを経験する事で初めて、西郷隆盛の本質が見えてくるのではないか、と」

 そう確信したら、行動は早かった。鹿児島移住へと動き出した。当時をこう振り返る。

「その当時は27歳だったんですけど、不安は全然なかったですね。家族から反対もなかったですし……。何であんなに怖くなかったんだろうって思いますけど。当時はワクワクする思いしか感じなかったです。今、考えると、2〜3年住んでみてダメならまた横須賀に戻ればいいやと変に力を入れず、常に方向転換の選択肢もあると心に余裕を持っていたことも、あまり不安を感じなかった理由の1つだと思います」