インタビュー

肌の弱い娘の仕草からひらめいた 専業主婦がスキンケアブランドを立ち上げるまで

著者:中野 裕子

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「cucumbalm-Tokyo(キューカンバーム トウキョウ)」栗山ヒロさん【写真:中野裕子】
「cucumbalm-Tokyo(キューカンバーム トウキョウ)」栗山ヒロさん【写真:中野裕子】

 昨年4月にキュウリエキスを使った無香料、無着色、化学物質無添加のスキンケアブランド「cucumbalm-Tokyo(キューカンバーム トウキョウ)」を起ち上げた栗山ヒロさん(42)。起業して商品を製造・販売するなんて、もともとバリバリのキャリアウーマンだったに違いない、と思ってしまうが、ヒロさんは真逆のタイプ。専業主婦で2児の育児にいそしむ母。キャリアとしては特別なものはなく、経験も知識も技術もない“ないない尽くし”だった。そんなヒロさんが事業を立ち上げることができたのはなぜだったのか。ヒロさんが“ないない尽くし”から事業を起ち上げた思いとノウハウを聞いた。

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肌が弱い娘の唇がキュウリでツルツルになったことがきっかけ

 ヒロさんが「cucumbalm(キュウリエキスを使ったリップ)」のアイデアを思いついたのは2017年の春。当時、小学校2年生だった長女が、夕食時、食卓テーブルに置いたキュウリスティックをリップに見立てて唇にぬりぬりしては食べる……を繰り返していた。その翌日、長女の唇がツルツルになっていることに気付いたのがきっかけだった。

「長女は生まれつき肌が弱くて、カサカサしたり、唇の周りが赤くなって水疱ができたりしていました。小麦、牛乳、大豆などに食物アレルギーがあって、離乳食にも苦労しました。いわゆるアトピー体質で、症状がひどいときはステロイドも使っていましたね」

 そんな長女の唇がツルツルになるなんて! と驚いたヒロさんは、インターネットでキュウリの成分を調べてみた。すると、キュウリの成分には、実際に保湿効果やかゆみ止め効果があることがわかった。

 そこでキュウリエキスを使ったリップを長女のために作ろうと思い立ち、インターネットで“キュウリエキス”を検索。キュウリエキスを扱う医薬品会社など十数社に、片っ端から「キュウリエキスを売ってください」とメールした。

「電話をする勇気はなくて、メールしました。でも、返事がきたのは1社だけ(笑)。他の会社には、完全に無視されました。でも、仕方ないですよね。あとで知ったんですけど、キュウリエキスを配合した化粧品を製造することは、医薬品医療機器等法(医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律/旧薬事法)で、化粧品製造販売業と化粧品製造業の許可をもっている人にしかできないんです。私はそんなことも知らなくて。しかも、たぶん大手の販売元を相手にしているようなメーカーにやみくもにメールしていたんだと思います。当たって砕けろ、の精神で(笑)」