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昔と今で変わった台所の“当たり前” サンドイッチを包むのに使っていたまさかのものとは 栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実

昔は当たり前だったことが、時代の流れとともに変わり、今の感覚では驚いてしまうものもあるかもしれません。こうした変化は、調理の場面にも見られます。たとえば、普段食べている米や麺類、食パンの下ごしらえや調理にも、今と昔で異なる常識はあるのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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米を「とぐ」から「洗う」へ
ごはんをおいしくするために、米をとぐときは、ぎゅぎゅっと力を入れて米同士をこすり、水が透明になるまで洗う人もいるかもしれません。しかし、精米技術が発達した現代において、この方法は逆効果といわれています。
というのも、以前は米の表面にぬかが多く残っていたため、米をといでしっかりと落とす必要があったからです。今の米は、ぬかがほとんど取り除かれているので、軽く洗いながら3回ほど水を変える程度で問題ありません。
むしろ、力を入れてこすり洗いをすることで、欠けたり栄養やおいしさを損ねたりしてしまうことがあります。そもそも「米をとぐ」という表現から、最近は「洗米」や「米を洗う」と言うことが多くなったのも、こうした背景があるといえるでしょう。
そうめんに「びっくり水」は不要
同様に、台所環境の変化とともにやる必要がなくなったことに、そうめんの「びっくり水」があります。
そうめんをゆでる際に吹きこぼれそうになったら、昔は「びっくり水」と呼ばれる差し水をするのが一般的でした。火力調整が難しかったかまどの時代に、鍋の中の温度を下げ、吹きこぼれを防ぐための知恵が受け継がれたものです。
しかし、現在はガスコンロやIHクッキングヒーターの普及で火加減を調整しやすくなっています。そのため、吹きこぼれそうになったら差し水をするのではなく、火を弱める方法で十分です。むしろ冷水を加えることで、湯の温度が急に下がってしまい、そうめんの仕上がりに影響することもあるでしょう。
サンドイッチはラップで形を整える
主食つながりでいうと、食パンを使ったサンドイッチ作りにも、今と昔で変わった点があります。サンドイッチを作る際、パンに具材を挟んだあと、昔は固く絞った濡れ布巾で包み、まな板などを重しにして常温でしばらく置き、形を整える方法が一般的でした。小学校の家庭科の授業で教わった人もいるでしょう。
パンと具材をなじませ、切りやすくするためのひと手間でしたが、今はラップでぴっちりと包むことで形を整えられます。現代の衛生面で考えると、食材を濡れ布巾に包んで常温に置くことは、避けたほうが良いでしょう。扱い方によっては、雑菌が増えて食中毒のリスクにつながるおそれがあります。
また、乾燥を防ぐため、サンドイッチにパセリを添えることが多くありました。しかし、今の食パンはしっとりしているものが増え、ラップや容器も密封しやすくなっています。添える必要性は、以前よりは高くないといえるかもしれません。
昔ながらの知恵も大切にしながら、今の考え方や環境に合わせて、家庭での食をおいしく安全に楽しみたいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾