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「以前は当たり前だった」のに、今は避けたい調理法 ハンバーグ作りにも潜む食中毒リスク
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教えてくれた人:和漢 歩実

食中毒への意識の高まりに加え、住環境や気候の変化などによって、以前は当たり前だった調理方法が、今では推奨されないことがあります。たとえば、ハンバーグ作り。うっかり昔の感覚のままやっていませんか? 細菌性食中毒が増えるこれからの時期に、今一度見直したい調理の常識について、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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冷凍肉の常温解凍は避けたい
以前は、家庭で冷凍した肉を台所の調理台にしばらく出しておき、自然解凍することも珍しくありませんでした。しかし現在は、肉を室温で解凍するのは避けたほうが良いとされています。
動物の腸管内には、サルモネラ菌やO157など食中毒の原因となる細菌が存在することがあります。処理や流通の過程で細菌が付着している可能性も指摘されており、室温に置くことで増えやすくなります。
また、住環境も変わり、昔と比べて気密性が高く、室温を一定に保ちやすくなっています。居間と一体になったリビングダイニングキッチンが増え、かつての北側に配置された寒い独立型の台所は少なくなりました。さらに、近年は気温も高くなっています。
肉を室内に置いて常温で解凍すると、表面の温度が上がり、細菌が繁殖しやすくなるため、食中毒のリスクが高まるといえるでしょう。そのため、冷凍した肉は冷蔵庫に移してゆっくり解凍するのが基本です。
急ぐ場合は、密閉袋に入れて流水で解凍する方法もあります。節水の観点では、電子レンジの解凍機能を上手に活用するのも良いでしょう。
食品用の手袋やポリ袋の使用を推奨
家庭で作る肉料理といえば、ハンバーグを思い浮かべる方もいるでしょう。ひき肉や玉ネギ、卵などの材料をボウルに入れ、粘りけが出るまで“素手で”しっかりこねるのが一般的でした。手を使うことで、材料の混ざり具合がわかりやすく、成形もしやすいからです。
しかし衛生面の観点から、今は素手で直接こねることは推奨されていません。生肉を触った手で調理器具やほかの食材に触れると、細菌を広げてしまうおそれがあります。また、手指に傷があると、傷口に存在する黄色ブドウ球菌などがハンバーグの肉だねに付着し、食中毒につながる可能性も指摘されています。
衛生面が気になる場合は、食品用の使い捨て手袋やポリ袋を活用する方法があります。 肉だねをこねるときに使った手袋やポリ袋は、使い回さずに1回で廃棄してください。使用したボウルなどの調理器具は、洗うまでほかの食品に触れないよう注意しましょう。
また、手の体温でハンバーグの肉だねが温かくなりすぎてしまうのも避けたいポイントです。衛生面でも好ましくないうえ、肉の脂が溶けると、仕上がりがパサパサな食感になってしまいます。炒めた玉ネギは冷めてから入れ、材料やボウルを冷やすなど工夫しながら、手早くこねるのがポイントです。
ハンバーグは、中心部までしっかりと火を通すことが大切です。外側が焼けていても、中は生焼けになっていることがあるので、フライパンにふたをして、中火で中心部までじっくり火を通しましょう。楊枝で刺したときに肉汁が透明になって中心部の色が変わるまで加熱するのが目安です。この点は、今も変わりません。
昔からの家庭での調理方法が、現代の環境に合わなくなっていることもあります。安全でおいしい食卓にするために、アップデートしていきたいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾