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子どもが親を児相に通報…“しつけと虐待”線引きどこに? 専門家は「叱らない育児」に警鐘
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長女への暴行容疑により現行犯逮捕(後に釈放)された巨人・阿部慎之助元監督の電撃辞任を巡り、子育て世代を中心に波紋が広がっています。ネット上ではしつけと虐待の境界を巡る議論が活発化。しつけのつもりであっても、ある日突然、逮捕や一時保護といった措置が取られてしまうことはあるのでしょうか。児童虐待防止の啓発活動事業を行うNPO法人児童虐待防止全国ネットワークの川松亮理事長に、令和の子育ての在るべき姿を聞きました。(取材・文=佐藤佑輔)
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児童本人への暴行・暴言のほか、配偶者への暴行・暴言も心理的虐待に
児童虐待防止法が定める虐待の定義は、主に「児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること」「児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること」「児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置」「児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと」の4つ。
児童本人への暴行・暴言、わいせつ行為、ネグレクト(育児放棄)などのほか、「妻・夫といったパートナーへの暴行・暴言も、児童への心理的虐待にあたる」と川松理事長は説明します。
「例えば、子どもの前での夫婦げんかも度が過ぎれば心理的虐待。実際、通報があって夫婦げんかに警察が介入した際、その場にお子さんがいれば児童相談所へも情報共有がなされます。子どもに手を上げるのはもちろん、人格否定などの言葉の暴力も心理的虐待のひとつ。親からすれば『しつけのつもり』であっても、子ども自身がつらい、傷つけられたと感じれば、それは不適切な行為と見なされます」
警察や児童相談所への通報基準は「虐待の疑い」があるかどうか。当事者である子どもや近隣住民が虐待の有無を判断する必要はなく、むしろ疑わしいと感じたら積極的に児童相談所等に通告することが法律で義務付けられています。通報があった場合、児童相談所は原則48時間以内に児童のもとを訪問。夜間等で対応が難しい場合や、緊急性が高いと判断された場合には、即座に警察への通報や一時保護といった措置が取られることもあるといいます。
「子どもがけがをしている場合などは、保護者の同意なく一時保護を行うことも可能です。昨年からは、親権者の同意が得られない場合は、保護した後に裁判所に許可状を求めることになりました。とはいえ、いきなり警察への通報や保護に至るのはよっぽどのケース。多くの場合、保護者や児童本人から聞き取りを行い、どんなことで傷ついたのか、そのしつけは適切だったのか、サポートやアドバイスを行います。もちろん、中には調査の結果虐待とは言えない『非該当』として終わるケースもある。ただ、実際には非該当は全体の1~2割程度。通告があった場合、何らかの対応を行うケースがほとんどです」