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昭和生まれの日本人ママが驚愕 破壊されてもハワイの親はただ見守る…アメリカに定着する“叱らない育児”に感じたギャップとは
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アメリカ・ハワイでよく目にする“叱らない育児”。ハワイでの子育て歴が8年になるi-know(いのう)さんは、“叱らない育児”を実践する保護者と出会い、家や学校での子育てのあり方を見つめ直しているそう。第76回は「“叱らない育児”が興味深すぎる!」です。
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“叱らない育児”は自己肯定感を高めると考えられているアメリカ
アメリカでは、子どもの尊厳や個性を大切にする考え方から“叱らない育児”が定着しています。英語では“叱らない”という言葉ではなく「gentle parenting(優しい子育て)」と呼ばれることが多いです。
では、“叱らない”ことに、アメリカではどんな利点があると考えられているのでしょうか。アメリカのウェブサイトで調べてみると、その目的は子どもの自己肯定感を高めるため、そして親子の強い絆を作るためのようです。
私の周りにも“叱らない育児”を実践している保護者は多いです。今回は、3人の親御さんのエピソードをご紹介したいと思います。
ケース1「親に叱られなかった30代パパさんの場合」
ご近所パパさんは“叱らない育児”を実践しているというより、「自分が親に叱られた経験がないから、子どもをどうやって叱れば良いかわからない」というタイプです。パパさん自身は、いつも穏やかでおおらかな性格。自己肯定感が高い大人に育っています。
それはとても良いことだと思うのですが……。そのパパさんがあまりにも自分の子どもを叱ることができず、昭和の時代に日本で育った私にとって、文字通り開いた口がふさがらない出来事がありました。
あれは、パパさんの3歳の息子(以下、Aくん)がリモコンカーで遊んでいたときのこと。操作がうまくできなかったことに苛立ったAくんは、リモコンカーを地面に投げつけ、また拾っては投げつけを繰り返し、破壊してしまいました。
私なら「やめなさい!」と子どもを怒鳴りつけてしまいそうな場面です。ところが、そのパパさんはAくんを一切止めず、その様子を遠くからただ見守っていました。そして、Aくんの気が収まった頃に、何も言わずリモコンカーの残骸を拾い集めたのです。
それが親として正しい対応なのか――。他人の“叱らない育児”に口出しできず、もどかしさを感じた経験です。