Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

キュウリとズッキーニ、栄養があるのはどっち? 意外な野菜の違いを栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

見た目がやや太くなったキュウリのよう? 旬のズッキーニ(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
見た目がやや太くなったキュウリのよう? 旬のズッキーニ(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 これから店頭に並ぶ機会が増えるキュウリとズッキーニ。どちらもみずみずしく、暑い季節にぴったりの野菜です。見た目が似ているだけに「栄養があるのはどちらなのだろう」と気になる方もいるかもしれません。それぞれの特徴について、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

ズッキーニはカボチャの仲間

 キュウリもズッキーニも、ウリ科の夏野菜です。緑色の皮のズッキーニは、やや太くなったキュウリのような見た目ですが、実は分類上は別の野菜とされています。キュウリはキュウリ属ですが、ズッキーニはカボチャ属でペポカボチャの一種です。

 また、日本で広まった時期も異なります。キュウリは奈良時代にはすでに伝来。江戸時代後期には「熱を冷まして利尿作用がある」と注目されて、一般的に食べられるようになったといわれています。

 一方、ズッキーニが日本に普及したのは、昭和後期の1980年代。比較的に最近食べられるようになった野菜です。皮が緑色と黄色の品種があります。カボチャは完熟してから食べますが、ズッキーニは未熟果を食べます。

 ともに含まれる栄養素に違いはなく、水分が多いのが特徴です。水分補給ができ、体温を下げるのに役立ちます。日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の数値をもとに比較すると、可食部100グラムあたりの水分量はキュウリが95.4グラムなのに対し、ズッキーニは94.9グラムでほとんど差はありません。エネルギーはキュウリが13キロカロリー、ズッキーニが16キロカロリーです。

どちらもカリウムを含む

 水分が多く低カロリーなため、どちらも栄養がないイメージがありますが、ミネラルやビタミンなどを含んでいます。とくに注目したい栄養素がカリウムです。

 カリウムには、余分なナトリウムや水分を体外に出し、体内の水分量を調整する働きがあり、むくみの予防にも役立ちます。湿度が高くなる梅雨の時期には意識して取り入れたい栄養素です。可食部100グラムあたりでカリウムの量を比較すると、キュウリは200ミリグラム、ズッキーニは320ミリグラムで、ズッキーニのほうが多いといえます。

 また、コラーゲン生成など美肌作りを支えるビタミンCは、キュウリが14ミリグラムに対し、ズッキーニが20ミリグラムとズッキーニのほうがやや多めに含まれています。また必要時に体内でビタミンAに変わり、免疫機能の維持に関わるβカロテンは、キュウリが330マイクログラム、ズッキーニが310マイクログラム。こちらは、キュウリのほうが多めです。

 このほか全体的に見ると栄養価はズッキーニのほうが高めですが、差は大きくありません。どちらか一方が優れているというより、そのときどきの好みなどによって使いわけると良いでしょう。

キュウリは炒めてもおいしい

 キュウリは、生のままサラダや酢の物などに、ズッキーニは炒め物や煮込み料理、スープなどの具材として加熱して食べることが多いでしょう。しかし、キュウリも炒め物にすると違った食感を楽しめ、ズッキーニも薄く切れば生でも食べられます。皮が気になるときは薄くむくと食べやすいです。

 βカロテンは油と一緒に摂ることで吸収率が高まるため、オリーブオイルなどを一緒に使うと効率的です。暑い夏こそ、どちらも積極的に食卓に取り入れたいですね。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾