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「何かアドバイスしなければ」と考えるよりも必要以上に踏み込まない 葬祭のプロが教える、遺族を傷つけかねない意外な言葉とは

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

「何かしてあげたい」が負担になることも

 ご家族を励まそうとして、自分の体験談を語ることにも気をつけたいところです。

「私の親が亡くなったときはこうだった」
「うちはもっと大変だった」

 こういった“自分比較”の話は、ご遺族の悲しみに寄り添うつもりが、話の主役を自分に移してしまうことがあります。不幸の大きさや悲しみの深さは人それぞれ。単純に比較できるものではありませんので、こうした場ですることは控えましょう。

 弊社スタッフに聴取したところ、「葬儀後の控室などに籠もり、ご遺族と長時間話し込んでしまう方がいる」という声も上がりました。実際、葬儀終了後も数時間にわたり控室から出てこない参列者がいらしたようです。

 また、その場で相続の話を始めてしまい、ちょっとしたトラブルに発展したこともあったようです。葬儀当日は、住職へのごあいさつや精算、ほかの参列者への対応など、ご遺族は多くの役割を抱えています。本人に悪気はなくても、ご遺族の貴重な時間を奪ってしまうことがありますので、ご配慮いただけるとありがたいですね。

 葬儀の内容に関して、親族ではない方が強く意見を述べるケースも見受けられます。

「エンバーミング(ご遺体の防腐・修復処置)なんて必要ないでしょう」
「もっと簡単な葬儀でよかったのでは」

 ご遺族は故人様との最後の時間をどう過ごすか真剣に考えて決断しています。事情を知らない第三者からの口出しは、ご遺族に大きなストレスを与えることがあります。

宗教・宗派によって適切な表現は異なる

 昔から「縁起が悪い」「不吉である」として使用を避けるべきとされている「忌み言葉」。葬儀の場では、この忌み言葉にも注意が必要です。

「重ね重ね」「ますます(益々)」「再び」「続きまして」「くれぐれも」

 こうした重ね言葉は、不幸が繰り返されることを連想させるため、弔事では避けるのが一般的です。

「死ぬ」「死んだ」「生きていた頃は」

 上記のような、直接的な表現も避けたほうがよいでしょう。

 さらに、宗教や宗派によって適切な表現が異なる点にも配慮が必要です。よく使われる「ご冥福をお祈りします」という言葉も、仏教の一部宗派では考え方が異なるため、必ずしも万能な表現ではありません。宗教的背景がわからない場合は、「心よりお悔やみ申し上げます」「誠にご愁傷様でございます」などの表現が無難とされています。

 葬儀の場では、「何か話さなければ」「何かアドバイスしなければ」と考えるよりも、ご遺族の状況を見ながら距離感を保ち、必要以上に踏み込まないことが大切です。善意のつもりであっても「自分の考えを伝える」ことより、「相手の気持ちを尊重する」ことが、ご遺族への何よりの配慮になるでしょう。

(和栗 恵)