食
夏野菜の代表・キュウリとナス 「栄養がない」は本当? 毎日食べるならどっちが良い?
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:和漢 歩実

古くから日本の食卓で親しまれている、キュウリとナス。ともにみずみずしく、味わいが淡泊なことから「栄養がない」と思われることもあります。しかし実際には、夏にうれしい栄養素が含まれています。毎日の食卓に取り入れるなら、どちらを選ぶと良いのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
◇ ◇ ◇
ともに低カロリーも、暑い夏に向く栄養素が含まれる
現在は通年出回りますが、キュウリとナスは夏が旬の野菜です。水分は、キュウリが約96%、ナスが約93%のため、100グラムあたりでみるとエネルギーはキュウリが13キロカロリー、ナスが18キロカロリーと低めです。
そのため、「栄養がない」印象を持たれやすいのですが、栄養がまったくないわけではありません。実際には、暑い季節に役立つ栄養素が含まれています。
キュウリに比較的多く含まれているのは、カリウムです。体内の余分な塩分の排出を促し、水分バランスを調整する働きが期待できます。湿度が高くむくみやすい暑い季節には積極的に取り入れたい野菜です。
このほか、抗酸化作用があり、コラーゲンの生成にも関わるビタミンCや、血液の凝固や骨の健康維持に関わるビタミンK、造血に関わる葉酸、食物繊維なども含まれています。独特の歯ごたえと、さっぱりと食べられる味わいで、食欲がわかないときも食べやすい野菜といえるでしょう。
ナスにもカリウムやビタミンC、ビタミンK、葉酸、食物繊維などが含まれています。含まれる栄養素は似ており、大きな違いはありません。
一方で、キュウリにはない成分として、ナスにはクロロゲン酸が含まれます。アクの成分ですが、ポリフェノールの一種で抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑えて生活習慣病や老化の予防に役立つと考えられている成分です。また、ナスの紫色の皮部分には、ポリフェノールの一種「ナスニン」と呼ばれるアントシアニンが含まれ、こちらも抗酸化作用が期待でき目の健康維持に役立ちます。
生だけではなく、汁物や炒め物の具材にも
毎日食べるなら、どちらか一方ではなく、両方を取り入れるのがおすすめです。栄養価に大きな差はなく、それぞれ異なる特徴があるため、献立や体調に合わせて食べ分けると良いでしょう。
キュウリは生だけでなく、加熱してもおいしい食材です。たとえば、いつもの炒め物やスープに、具材としてキュウリを使うのも良いでしょう。たくさん手に入った場合は、ピクルスにすると比較的日持ちがします。酢には疲労回復効果が期待できるクエン酸が含まれているので、暑い季節にぴったりです。
新鮮なナスであれば、生でおいしく食べられます。即席漬けや薄くスライスして好みの調味料やドレッシングで味つけすると簡単にできる一皿になります。また、油との相性が良く、揚げたり炒めたりしてもおいしいです。ただし、ナスは油を吸いやすく、高カロリーになりやすいので注意しましょう。スープやみそ汁などの具材として使うと、水溶性で溶け出した栄養もそのままとれるのでおすすめです。
キュウリもナスも、水分が多く胃腸を冷やしやすいため、食べすぎには注意しましょう。一度に何本も大量に食べると、胃もたれや下痢などを引き起こすおそれがあります。厚生労働省が推奨する1日の野菜摂取量の目標は350グラムです。キュウリだけ、ナスだけに偏るのではなく、ほかの野菜とも組み合わせながら、バランス良く日々の食卓に取り入れることが大切です。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾