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汗ばむ季節にゴーヤーを食べるべき理由 優れた栄養を解説 おいしいものの見分け方も

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

独特の苦みがある夏野菜ゴーヤー(写真はイメージ)【写真:写真AC】
独特の苦みがある夏野菜ゴーヤー(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 5月8日は「ゴーヤーの日」。沖縄県とJA沖縄経済連(現JAおきなわ)が制定しました。沖縄を代表する野菜ですが、今では全国で知られる人気の夏野菜です。近年はゴーヤー(ゴーヤ)を家庭菜園でも作る人も増えてきましたね。完熟したゴーヤーはオレンジ色になり、甘くフルーツのような味といわれています。この記念日にちなみ、栄養士の和漢歩実さんにお話を伺いました。

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沖縄の名物野菜ゴーヤー おいしいものを選ぶコツは

 ゴーヤーはウリ科のつる性の一年草で、「ニガウリ」や「ツルレイシ」とも呼ばれています。日本への伝来には諸説ありますが、中国から琉球王国へ伝わり、江戸時代には存在していたようです。

 全国に広まっていったのは1990年代。沖縄料理が人気を集めたことで、ゴーヤーが知られるようになりました。近年はヒートアイランド対策のグリーンカーテンとして家庭栽培する人も多いでしょう。自家製のゴーヤーを食卓にうまく取り入れたいですね。

 おいしいゴーヤーを選ぶには、鮮やかな緑色が均一でイボが細かく、ハリがあるものに注目しましょう。果肉の中には種やワタが詰まっているので下処理が必要です。水洗いしたら、先端を少し切り落とし、縦半分にカットします。スプーンを使って取り除きましょう。

 調理の際は好みの大きさにカットし、苦みを取るために軽く塩揉みを。水に浸しておくと苦みは取れますが、ビタミンCなどの水溶性成分も消失します。さっと熱湯をかけて、水分を取ってから調理するのも良いでしょう。

苦みの成分は何? ビタミンCやミネラルも豊富

ワタや種は取った方がおいしく食べられる(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ワタや種は取った方がおいしく食べられる(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ゴーヤーの苦みはモモルデシンという成分です。モモルデシンは胃液の分泌を促し、食欲増進のサポート効果が期待できるでしょう。また肝機能を高め、血糖値の降下にも効果があるといわれています。

 ゴーヤーの代表的な栄養としては、ビタミンCが挙げられます。コラーゲン生成に必須で、抗酸化作用も期待できる成分です。特にゴーヤーのビタミンCは生で76ミリグラム、油炒めが75ミリグラム(100グラムあたり、日本食品標準成分表2020年版 八訂による)と、熱に強く壊れにくいのが特徴です。

 この他にも、カリウムやカルシウム、マグネシウムも豊富。汗と一緒に放出されるミネラルを含む野菜です。

 栄養価が高い種とワタは食べることができますが、一般的には苦みが強いといわれています。おいしくいただきたい場合は取り除いた方が良いでしょう