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熱中症予防で気をつけたい「むせ」 引き起こしやすい意外な“NG行動”とは 医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:林 裕章

水分補給にむせてしまうことも(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
水分補給にむせてしまうことも(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 気温が上昇し、夏本番のような蒸し暑い日も増えてきました。熱中症対策などのため水分補給の機会が増えますが、飲み物を飲んだ拍子に激しくむせてしまったことはありませんか? うっかりしていた、歳のせいだからと軽く考えてしまいがちですが、注意が必要なケースもあるようです。むせと年齢の関係や水分補給の“NG行動”、見逃してはいけないサインについて、林外科・内科クリニック理事長で日本外科学会外科専門医の林裕章先生に伺いました。

 ◇ ◇ ◇

「むせ」と「窒息」は別物 のどの中で何が起きている?

 まず大切なのは、「むせ」と「窒息」は同じではないということです。大きな咳が出ていると、見ている人はとても心配になります。

 しかし、しっかり咳ができているのは、空気の通り道がある程度保たれ、異物を外へ出そうとする防御反応が働いているサインです。逆に声も咳も出ず、息ができない状態のほうが重い気道閉塞、いわゆる窒息の可能性が高く、緊急性があります。

 のどは、食べ物と空気の通り道が交差する場所です。口から入った食べ物や飲み物は、のどの奥にある咽頭を通って食道へ。一方、空気は咽頭から喉頭、気管を通って肺へ進みます。

 通常、物を飲み込む瞬間にはいくつもの仕組みが働き、食べ物や飲み物が気管に入らないようにしています。飲み物や食べ物、唾液などが誤って喉頭の入り口に入ったり、声帯を越えて気管側へ入ったりすると、のどのセンサーがそれを察知し、強い咳で外へ排出しようとします。これが一般に「むせ」と呼ばれる反応です。

 むせは不快な症状ですが、本来は肺を守るための大切な防御反応です。また、むせたからといって、必ずしも誤って気管に入っているとは限りません。一方で、気管に入っても咳が出ないケースがあります。

 年齢を重ねると、飲み込みや咳をする機能などに変化が生じます。若い頃は問題なく飲めていた人でも、疲労や発熱、脱水、睡眠不足、息切れなどをきっかけにむせやすくなることがあるので、注意が必要です。

 むせが頻繁に起こる場合、脳卒中、パーキンソン病、認知症、神経や筋肉の病気、慢性呼吸器疾患といった病気が隠れている場合もあります。「歳だから仕方がない」と決めつけないことも大切です。

熱中症対策における水分補給の“NG行動”とは

 水やお茶のようなさらさらした液体は、のどへ速く流れ込みます。嚥下機能が低下した人にとっては、固形物よりタイミングを合わせにくいことがあります。ただし、これは嚥下障害がある人で特に問題になることであり、健康な人にとって水が危険という意味ではありません。

 次のような飲み方は、むせにつながりやすいので注意しましょう。

・一度に大量に口へ入れる
・ペットボトルなどから連続してごくごく飲む
・急いで飲む
・上を向いたまま飲む
・歩きながら飲む
・口に水を含んだまま話したり、笑ったりする
・運動直後など、息が切れている状態で飲む
・眠気が強いときや飲酒後に飲む

 熱中症対策では水分を控えるのではなく、椅子に座るか安全な場所で立ち止まり、呼吸を整えてから、ひとくちずつゆっくり飲むことが大切です。