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からだ・美容

熱中症予防で気をつけたい「むせ」 引き起こしやすい意外な“NG行動”とは 医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:林 裕章

日頃の予防には姿勢や飲み方が大切

 むせを繰り返さないために、日頃からできることもあります。次の点を意識してください。

・椅子に深く腰をかけ、足を床につける
・頭と首をまっすぐにし、アゴを上げすぎない
・ひとくちを小さくする
・ひとくちごとに飲み込んでから次を口に入れる
・連続して一気に飲まない
・口に食べ物や飲み物がある間は、話したり笑ったりしない
・息が切れているときは、呼吸を整えてから飲む
・眠気が強いときや飲酒後は、とくに注意する
・入れ歯の状態や口腔内を清潔に保つ

 ただし「アゴを引けば必ず安全」「ストローなら必ず安全」といった、すべての人に共通する方法はありません。

 また、自己判断で飲み物へとろみをつけるのもすすめられません。むせを繰り返す場合は、医師、歯科医師、言語聴覚士などによる嚥下評価を受け、本人に合った方法を選ぶことが重要です。

見逃してはいけない受診のサイン

 むせた際に次の症状がある場合は、ただちに119番へ通報してください。

・声、咳、呼吸が出ない
・顔や唇が青紫色になる
・意識が低下する、反応が鈍くなる
・強い息苦しさや、のどから異常な呼吸音がする
・唾液も飲み込めず、よだれが流れ続ける
・むせと同時に顔のゆがみ、片側の手足の麻痺、ろれつが回らない症状が出た
・唇、舌、のどが腫れ、じんましんや喘鳴を伴う

 医療機関の受診目安は、以下のような状態が挙げられます。自己判断せず、早めに医師へ相談してください。

・食事や水分のたびに繰り返しむせる
・食後も咳が長く続く
・飲食後に声が濁る、湿った声になる
・食べ物がのどや胸につかえる
・食事に非常に時間がかかる
・食べる量が減った、体重が減った
・原因不明の発熱や肺炎、気管支炎を繰り返す

 注意したいのは、「むせないから大丈夫」とは限らないことです。とくに高齢者や脳・神経の病気がある人は、誤嚥しても咳が出ない不顕性誤嚥があります。食後の湿った声、呼吸状態の変化、発熱、反復する肺炎などが手がかりになります。

 熱中症を防ぐために水分補給は必要です。大切なのは、水を怖がって飲まないことではなく、落ち着いた姿勢でひとくちずつ、安全に飲むことです。そして、むせたときは水で流そうとせず、まず咳と呼吸が落ち着くのを待ちましょう。

(Hint-Pot編集部)

林 裕章(はやし・ひろあき)

林外科・内科クリニック理事長。国立佐賀医科大学卒業後、救急や外科医として診療経験を積み、2007年に父の診療所を継承。現在は外科医の父と放射線科医の妻とともに、医療・介護の両面から地域を支える有床診療所と老人ホームを運営。福岡県保険医協会会長として医療情報の発信にも尽力。日本外科学会外科専門医、日本抗加齢医学会専門医ほか多数の資格を保有。