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「代金を払わず持ち去る人がいました」 無人販売所が防犯カメラ映像をSNS投稿 法的責任は?
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教えてくれた人:坂本 尚志

全国各地で見かける無人販売所。代金を料金箱へ入れるだけで気軽に買い物ができる一方、支払い忘れや盗難などのトラブルも起きています。防犯対策として設置されたカメラの映像が、SNSへ投稿されるケースもありますが、利用者が特定できるような形で公開することに法的な問題はないのでしょうか。坂本尚志弁護士にお聞きしました。
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代金を払い忘れ…数日後、防犯カメラ映像がSNSに
近所の無人販売所で野菜を購入しようとしました。商品を手に取り料金箱へお金を入れようとしたところ、小銭が足りないことに気づきました。財布には1万円札しかなく、お釣りもありません。
「今日は手持ちの小銭だけ入れて、足りない分は明日持ってこよう」
そう考え、料金箱には手元にあった金額だけを入れ、商品を持ち帰りました。もちろん翌日に支払うつもりでしたが、仕事が忙しく、そのまま忘れてしまったんです。
数日後、友人から「これ、もしかして○○じゃない?」というメッセージとともに、SNS投稿のURLが送られてきました。そこでは無人販売所の防犯カメラ映像が公開されており、商品を持ち帰る人物にモザイクがかけられていました。
投稿には「代金を払わず野菜を持ち去る人がいました。防犯カメラの映像です。心当たりのある人は至急支払いに来てください」と書かれており、投稿には数千件の“いいね”がつき、コメントも数百件寄せられていました。
映像にはモザイクがかかっていたものの、服装や体格、車などから、友人は私ではないかと思ったようでした。
たしかに、代金を支払い忘れていたのは私です。しかし、モザイクをかけているとはいえ、防犯カメラの映像をSNSへ投稿することに法的な問題はないのでしょうか。また、代金を払い忘れた私は、どのような法的責任を負う可能性があるのでしょうか。
支払い忘れとSNS投稿は別問題 モザイクがあっても責任を問われることが
まず、代金を支払わずに商品を持ち帰る行為については、その時点でどのような意思があったのかが重要です。当初から代金を支払うつもりがなく商品を持ち去ったのであれば、刑事責任を問われる可能性があります。一方で、本当に後日支払うつもりで、うっかり忘れてしまった場合は、事情を踏まえて個別に判断されます。
では、防犯カメラの映像をSNSに投稿した側はどうでしょうか。
防犯目的だからといって、防犯カメラの映像を自由にSNSで公開できるわけではありません。たとえ顔にモザイクをかけていても、服装や体格、車両、投稿内容などから本人を特定できる場合は、名誉毀損やプライバシー侵害などの問題が生じる可能性があります。
また、「代金を払わず持ち去った人」などと断定的な表現で投稿した結果、本人の社会的評価を低下させたと判断されれば、投稿者が損害賠償責任を負う可能性もあります。
無人販売所の被害を防ぎたいという思いは理解できますが、代金未払いが疑われる場合は、まず警察へ相談するなど、状況に応じた対応を検討することが大切です。SNSで防犯カメラ映像を公開することは、思わぬ法的トラブルにつながるおそれがあります。
※本記事に記載された事例は、特定の事実関係に基づくものではなく、想定ケースとして構成されたものです。実在の相談・事件・人物等とは一切関係ありません。
(Hint-Pot編集部)