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「頭が痛くなるから嫌」 妊娠中でもエアコンを切る夫 寝室を分けるにはどう説得すればいい? 夫婦カウンセラーがアドバイス

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

妊娠中の体調を考え、寝室を分けたいと考える女性。しかし、夫は納得してくれず…(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
妊娠中の体調を考え、寝室を分けたいと考える女性。しかし、夫は納得してくれず…(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 暑いと感じる温度には個人差があり、家族でもエアコンの設定をめぐって意見が分かれることがあります。とくに妊娠中は体温が高くなりやすく、暑さを我慢することで体調を崩すリスクも。毎晩、夫がエアコンの「切タイマー」を設定してしまうことに悩む妊娠後期の女性がいます。夫婦カウンセラーに、夫婦関係を悪化させずに解決する方法を聞きました。

 ◇ ◇ ◇

寝室を分けることも嫌がる夫

 今回お話を伺ったのは、妊娠後期に入った寺澤陽菜さん(仮名・20代)です。毎年、寒がりの夫とはエアコンの設定温度で意見が合わなかったものの、今年は妊娠中ということもあり、深刻な悩みになっているといいます。

「夫は寝る前に必ずエアコンの切タイマーを設定するんです。明け方になると部屋が蒸し暑くなって、汗びっしょりで目が覚めます。エアコンをつけっぱなしにしてほしいと頼んでも、『頭が痛くなるから嫌だ』と断られてしまって……」

 熱中症や脱水が心配で、かかりつけの婦人科医に相談したところ、「危険だからエアコンはちゃんとつけて寝てください」と指導を受けました。しかし、そのことを夫に伝えても反応は変わりませんでした。

「夫は寒がりで、一年中長袖・長ズボンのパジャマを着るタイプ。もう少し厚着をして寝てほしいとお願いしたのですが、それもNOで……」

 エアコンがあるのは、寝室とリビングの2か所。そこで陽菜さんは、来客用の布団を使ってリビングで寝てほしいと夫にお願いしました。

 ところが夫は「布団が薄いと寝不足になるから嫌だ」と譲りません。陽菜さんがリビングに寝ることも考えましたが、重たいお腹を抱えて腰痛もあり、布団の上で寝起きをするのは厳しい状態です。ベッドのほうが寝がえりを打ちやすいこともあり、自身が布団で眠ることは難しいので、妊娠中だけでも我慢してほしいとお願いしましたが、夫は首を縦に振りませんでした。

「それならば敷布団の下に敷くマットを少し良いものに買い替えれば? と夫に提案したのですが、出産準備で出費が続いているし、近い将来引っ越しも考えなければならないため、これ以上無駄な出費をしたくないと反対されました。出産までの数か月だけでも寝室を分けたいのですが、夫は納得してくれません。どう伝えれば理解してもらえるのでしょうか」

「夫婦の問題」ではないと伝えて

 夫婦カウンセラーの原嶋めぐみさんは、「このケースで最優先すべきなのは、お母さんとお腹の赤ちゃんの体調です」と話します。

「妊娠中は体温が高くなりやすく、暑さによる体調不良にも注意が必要な時期です。医師からもエアコンを使用するよう指導されているのであれば、その指示を最優先に考えるべきでしょう」

 一方で、「寝室を分ける」という提案に抵抗を示す人も少なくないといいます。

「『別々に寝たい』と言われると、『拒絶された』『夫婦仲が悪くなった』と受け止めてしまう人もいます。そのため、『あなたと一緒に寝たくない』ではなく、『出産までの数か月だけ、赤ちゃんを守るために協力してほしい』という伝え方をすることが大切です」

 また、寝室を分けることだけにこだわらず、夫婦で現実的な落としどころを探すことも必要だといいます。

「来客用の布団が合わないのであれば、一時的に寝具をレンタルする、エアマットを利用するなど、費用を抑えながら環境を整える方法もあります。『どちらが我慢するか』ではなく、『どうすればふたりとも眠れるか』という視点で話し合うことが大切です」

 出産後は夜間授乳や夜泣きなどで、夫婦が別々の部屋で寝る家庭も少なくありません。

「妊娠・出産は期間限定の特別な時期です。一緒に寝ることにこだわるのではなく、その時々の状況に応じて柔軟に生活スタイルを変えることも、夫婦がお互いを思いやるひとつの方法です。どうしても夫が理解してくれない場合は、一度、健診に同行してもらい、医師から妊娠中の体の変化について説明してもらうのもよいでしょう」

 ちなみに、原嶋さんの夫も、陽菜さんと同様に夫が寒がりのため、夏場は扇風機を活用するなど、工夫をしているそう。

「お互いに『NO』を言い合っていても進みません。どうすれば解決できるのか、夫とよく話し合い、答えを探してみてください」

(和栗 恵)