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熱中症対策で活躍の保冷剤、知られざる凍傷のリスク…「危険です」 医師が説明する適切な活用法
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夏本番を迎えたこの時期、各地では連日のように猛暑の予報が続いています。熱中症対策には万全を期したい一方、過度な皮膚の冷却には凍傷などの思わぬリスクも潜んでいます。ネット上では、保冷剤の使用で皮膚移植が必要となるほどの重症になったという報告もありますが、熱中症予防に使う際、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。日本形成外科学会専門医で、熱傷も専門とするよしクリニック・中野貴光院長に、知られざる“保冷剤凍傷”のリスクを聞きました。
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保冷剤の使用で皮膚移植が必要となるほどの重症になったという報告も
まず前提として、熱中症対策に保冷剤を適切に使用することにはメリットがあります。しかし、直接地肌に使用するのは危険です。
保冷剤をあてると、皮膚の温度が下がります。皮膚の温度は通常は体温に近い36度ぐらいですが、皮膚の深部温度が25度程度まで下がると暗赤色の状態になってきます。その後、15度程度まで下がるとピンク色になってきて組織の障害が始まり、さらに4度程度まで下がると凍傷になるといわれています。
凍傷が起こると、最初は痛くなり、その後しびれてきて最後には感覚がなくなります。最初に行う治療は急速融解法といって、約40度の温水に患部を入れて、患部が融解されるまで30分程度温めます。感覚がなくなるほど深い凍傷の場合には、水疱(水ぶくれ)や腫れが起こり、最終的に組織が壊死することもあります。
凍傷もやけどと同じように、深さが分かれます。皮膚の表層までの場合はI度であり、発赤、腫脹、痛みがありますが、手術等は不要です。皮膚の深層まで達するとII度となり、水疱形成を認め、場合によっては手術も必要になります。脂肪、筋肉、骨にまで及ぶとIII度となり、血性水疱や潰瘍、壊死となり、手術が必要となります。
保冷剤は一般の市販品でもマイナス16度などの低い温度になることがあるので、当然ながら凍傷になる可能性があります。ただ、そのような当て方をするととても痛く、実際には保冷剤で凍傷が起こる事例は非常にまれ。皮膚の血流がある場合には、短時間の接触では暖かい血液によって温度が保たれるので凍傷になることはありません。
雪山登山などで長時間歩行するなどのことがない限り、深い凍傷になることはまれですが、痛くなっても自分で保冷剤をどかすことができない乳児、泥酔状態の方、糖尿病など何らかの基礎疾患がある方は注意が必要です。
保冷剤を使用する際には、直接地肌に触れる使い方は避け、短時間使用する、濡れタオルを冷やすのに使用するなど、工夫をするといいでしょう。保冷剤の上に直接寝るという行為は大変危険です。また、タオルなどを巻くと、熱伝導率の低い空気の層が間に挟まるため凍傷のリスクは低くなりますが、結露して濡れた布が凍ってしまうと直接触れるのと同等のリスクが発生します。保冷剤を使う際はタオルなどを巻いた上で、頚部(けいぶ、首の部分)、脇の下など血流の良い場所で、部位を変えながら冷やすことで体全体の体温上昇を防ぎながら、安全に使用しましょう。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)


