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バラの花を飾るのは、バチあたり? お盆にやってはいけない3つの“タブー”とは

公開日:  /  更新日:

著者:鶴丸 和子

日本の伝統的な行事のひとつ、お盆(写真はイメージ)【写真:写真AC】
日本の伝統的な行事のひとつ、お盆(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 お盆とは、先祖の霊を迎え入れてもてなし、感謝を伝える日本の伝統行事。地域や家庭によって違いはありますが、お盆の時期に「タブー」とされることはあるのでしょうか。日本古来の伝承や風習、先人の知恵など諸説に着目するこの連載。今回はお盆にやってはいけないことについて紹介します。

 ◇ ◇ ◇

先祖を供養する特別な期間

 お盆は、正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といいます。旧暦の7月15日を中心に行われる先祖供養の儀式ですが、新暦に合わせて8月に行われることが多くなりました。地域によって期間はさまざまですが、一般的には8月13日から16日まで。帰省する人も多いでしょう。

 先祖を供養する特別な時期には、タブーとして言い伝えられていることもあります。諸説ありますが、「やってはいけない」といわれる代表的なものは次の通りです。

虫とりや魚釣りをやってはいけない

 ひとつは「生き物の命を奪うこと」です。不殺生戒(ふせっしょうかい)の考え方から、お盆に生き物の命を奪うこと、それにつながる行為はタブーとされています。先祖を迎えるために、どんな生き物も粗末に扱ってはいけないといった考えが土台にあるようです。

 また、先祖が虫を乗り物にしてこの世に帰ってくる、または先祖の魂がほかの生き物の姿になって帰ってくるといった説もあるため、地域によっては、虫とりや魚釣りを控えるところもあります。

海や川など水辺には近づいてはいけない

 もうひとつは「水辺に近づくこと」です。お盆は、供養されずにさまよう魂が生きている人を道連れにしようと、三途の川につながる水の中に引き込むと信じられてきました。子どものころ、海や川遊びなどはしないようにと言われた人もいるでしょう。

 実際のところ、お盆の時期の海は、クラゲに刺されたり、海水浴場でも高波や離岸流が発生して巻き込まれたりするおそれがあります。身を守るために、そのように言い伝えられたのかもしれません。

針やトゲのあるものを使ってはいけない

 意外かもしれませんが、「針やトゲのあるものを使うこと」もタブーとされています。血は「けがれ」とされているので、お盆には、けがにつながるおそれがあるものは避けられてきました。たとえば、裁縫などの針仕事は、誤って針で指を刺して血が出てしまうことがあるため、お盆の時期にやってはいけないことのひとつといえます。

 また、バラのようにトゲのある草花を飾ることは、先祖に対して失礼にあたると考えられてきました。現在、花店で販売されているバラは、あらかじめトゲが取り除かれているものがほとんどですが、地域によっては好ましくない場合もあるかもしれません。

 お盆にまつわるタブーには、先祖を敬う気持ちや、身を守るための先人の知恵が込められていると考えられます。地域や家庭によって考え方は異なるため、それぞれの慣習を尊重しながら過ごすとよいでしょう。

(鶴丸 和子)

鶴丸 和子(つるまる・かずこ)

和文化・暦研究家。留学先のイギリスで、社会言語・文化学を学んだことをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。昭和好き。
インスタグラム:tsurumarukazu