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お盆のお供え“基本の5つ”とは 線香の煙は仏様のごはんに 水を供えると浄化される?

公開日:  /  更新日:

著者:鶴丸 和子

お盆の代表的なお供え、キュウリとナスを使った飾り(写真はイメージ)【写真:写真AC】
お盆の代表的なお供え、キュウリとナスを使った飾り(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 お盆休みに帰省して、お墓参りをする人もいるかと思います。お盆とは、一年に一度、あの世から“里帰り”する先祖の霊を迎え、もてなし、送る、日本のしきたりです。地域によって異なりますが、一般的には8月13日が盆入りで16日が盆明け。各家庭では「五供(ごく)」や盆棚を設けてお供えをし、先祖に感謝の気持ちを表します。今さら聞けないお盆のお供えについて紹介しましょう。

 ◇ ◇ ◇

日本人にとって大切な節目 サンスクリット語が名称の由来とも

 お盆とは略語で、正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という仏教行事。または「精霊会(しょうりょうえ)」とも呼び、この世に戻ってくるとされる先祖の霊を迎えて供養する行事です。

「盂蘭盆会」の由来は、諸説ありますが、「逆さ吊り」を意味するインドのサンスクリット語「ウラバンナ」が転じたものともいわれています。釈迦の弟子の1人が、餓鬼道で逆さ吊りにされている亡き母を供養した逸話が始まりとの説です。

 あの世で苦しむ亡き人を供養で救うという教えと、先祖の霊を祀る日本の習わしが合わさり、お盆が現在のような形になり広まったとされています。「盆と正月が一緒に……」などの表現があるほど、日本人にとっては大切な節目です。元々は旧暦の7月でしたが、新暦に合わせて8月に行われることが一般的になりました。

先祖の霊を迎えもてなす 一般的なお供え「五供」とは

線香やろうそく。欠かせないお供え(写真はイメージ)【写真:写真AC】
線香やろうそく。欠かせないお供え(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 先祖の霊が毎年帰ってくるお盆の時期。お墓参りをして供養し、家では先祖の霊を迎えてもてなすお供えをするのが習わしです。宗派によって違いはありますが、一般的なお供えについて紹介しましょう。

 お盆のお供え物には「香」「花」「灯燭」「浄水」「飲食」の5つ「五供(ごく)」のしきたりがあります。

○香(こう)
 線香のこと。香りで先祖を供養するとともに場や人を清める意味と、「香食(こうじき)」として仏様のごはんになるとの意味もあります。線香の火を消す時は、口から直接息を吹きかけるのは不浄とされているので、手や火消し用のうちわであおぎ消します。

○花
 故人は花の香りを好むともいわれています。ただし、トゲがあったり強烈に強い香りがあったりする花は不向きとも。故人が好きだった好きな花を飾るのが良いでしょう。

○灯燭(とうしょく)
 ろうそくに火を灯すこと。仏壇の明かりとしてだけではなく、仏様の知恵の象徴として世の中を照らす役割があり、迷いがなくなっていくと考えられています。

○浄水
 水やお茶を供えること。仏様に水を供えることで、この世にいる私たちの心も浄化されるという意味があります。

○飲食(おんじき)
 仏前に供えるごはん、仏飯のこと。墓前には菓子などが一般的ですが、仏壇には家族が普段食べる食事を供え、自分たちが食べる前に供えます。魚や肉など生臭いものは避けます。