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「お酒を飲む前に牛乳を飲むと酔わない」のは本当? 栄養士が指摘する思わぬ“落とし穴”とは
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教えてくれた人:和漢 歩実

夏休みやお盆休みなど、人と集まってお酒を楽しむ機会が増える時季です。悪酔いなどが気になるところですが、「飲酒前に牛乳を飲むと酔わない」といわれることがあります。実際のところどうなのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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牛乳が胃の中に膜を張って吸収を防ぐわけではない
摂取したアルコールは、胃に停滞している間はゆっくりと吸収され、小腸では速やかに吸収されるのが特徴です。そのため、胃から小腸へ移る時間が短いほどアルコールが血液中に速く取り込まれ、血中アルコール濃度が高くなり、酔いやすくなります。
飲酒前に牛乳を飲むと、牛乳に含まれるたんぱく質や脂質などの栄養素によって、アルコールが胃にとどまる時間が長くなり、小腸へ移るまでに時間がかかると考えられています。そのため、アルコールの吸収をゆるやかにする点では期待できるかもしれません。
しかし、牛乳が胃の中に膜を張り、アルコールの吸収を防ぐわけではありません。先に牛乳を飲むことで、アルコールが体内へ吸収されるのを多少遅らせることはできても、飲んだアルコールは吸収されることを忘れないでください。つまり、「牛乳を飲めば酔わない」とは言い切れません。
むしろ「牛乳を飲んだから大丈夫」という安心感から、お酒を飲みすぎてしまうと、吸収されたアルコールの分解が肝臓で追いつかず、悪酔いや二日酔いにつながるほか、肝臓への負担も大きくなります。思わぬ“落とし穴”にはまらないよう、気をつけましょう。
お酒を飲む代わりに食べないのはあり?
ダイエットが気になり、お酒を飲む代わりに食事を取らない人もいるかもしれませんが、胃が空っぽな状態で飲酒すると、アルコールが素早く小腸へ移るため、酔いが回りやすくなり、悪酔いにつながります。何かを食べてから、または食べながら飲むことを心がけましょう。
最初に食べるなら、食物繊維やたんぱく質が豊富な食材、良質な油脂をとることが好ましいです。たとえば枝豆、キャベツサラダ、ポテトサラダ、肉じゃが、ナッツ類などが良いでしょう。サラダチキンや卵、豆腐や納豆などもおすすめです。揚げ物や塩分の多いおつまみは、食べすぎに注意してください。
また、アルコールには利尿作用があるため、飲酒中は脱水傾向になりやすいです。とくに暑い季節は、お酒の合間に水を飲むことを忘れないようにしましょう。水分は食事からも補給できるため、脱水予防の観点からも、おつまみを食べながら飲むことが大切です。
「汗をかけばアルコールが抜ける」といわれることもありますが、汗から排出されるアルコールはごくわずかです。体内に吸収されたアルコールの大部分は肝臓で分解されるため、運動やサウナなどで汗をかいても、酔いが早くさめるわけではありません。かえって脱水や体調悪化につながるおそれがあるため、避けてください。
飲酒前に牛乳を飲んだからといって、たくさん飲んで良いわけではないです。また、お酒は食事の代わりにはなりません。食事とともに適量を楽しむものと考えましょう。
(Hint-Pot編集部)
