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「1日30品目」はもう古い? 中高年が見直したい食事の“昔の常識”

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

体づくりのために大切な食生活(写真はイメージ)【写真:写真AC】
体づくりのために大切な食生活(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 健康のために、普段から食生活に気を配っている人もいるでしょう。かつて「1日30品目を食べよう」といわれていたことから、今もさまざまな食品を取り入れることを意識している人がいるかもしれません。しかし、食生活をめぐる考え方は、時代とともに変化しています。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

1985年の食生活指針で提唱

「1日30品目」といわれるようになったのは、1985年に厚生省(現厚生労働省)が発表した「健康づくりのための食生活指針」で、「1日30食品を目標に」と提唱されたのがきっかけです。

 これは、多品目をバランス良く食べましょうというもの。栄養素のバランスを確保するためには、同じ種類の食品に偏ることなく、少なくとも30種類の食品を料理の素材として取り入れることが適切だという考えに基づいています。

 40~50代以上の世代では、「1日30品目」の食生活を意識するよう教わった記憶がある人もいるでしょう。

 しかし、2000年に策定された新しい「食生活指針」において、「30」という具体的な数値は示されなくなりました。30品目を意識するあまり食べすぎてしまえば、カロリーオーバーになる可能性もあります。また、毎日30品目をそろえようとすることは、食事を用意する側にとって負担にもなります。

今も多様な食品を組み合わせて食べることは大切

 現代の「食生活指針」は、2000年3月に当時の文部省(現文部科学省)・厚生省(現厚生労働省)・農林水産省が策定し、2016年6月に一部改定されたものです。そこでは「主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを」と提示されています。

「30品目」という具体数値はありませんが、多様な食品を組み合わせてバランス良く食べる大切さは今も変わりません。調理方法が偏らないように配慮することや、手作りと外食、加工食品・調理食品を上手につなぎ合わせる工夫も推奨されています。

 とはいえ、主食、主菜、副菜を基本としながら、何をどれだけ食べるべきか迷うこともあるでしょう。その際は、農林水産省が公表している「食事バランスガイド」を参考にすると便利です。

「4つの食品群」を目安に 数日単位で食事のバランスを

 ここでは、より簡単なチェックポイントとして、主に含まれる栄養素の特徴から食品をグループ分けした「4つの食品群」をもとに紹介します。

 1つ目は、牛乳やヨーグルトなど乳・乳製品と卵。2つ目は魚介や肉、豆・豆製品などです。3つ目はキノコや海藻を含む野菜類やイモ類、果物。そして4つ目は、主食となる穀類をはじめ、油脂や砂糖などです。

 ただし、油脂や砂糖などはとりすぎに注意しましょう。このほか、ドレッシングやソースなどの調味料を使いすぎると、塩分のとりすぎになるので注意が必要です。

 毎日の食事で、完璧な栄養バランスを目指す必要はありません。1日単位ではなく、3~4日の食事を振り返って考えてみてはいかがでしょうか。たとえば「外食で食べすぎたから、翌日は控えめにしよう」「肉料理が続いたから魚を食べよう」など、数日単位で調整すると良いでしょう。

 とくに中高年は、体力や体の機能に変化が表れやすい年代で、毎日の食事を整えることが大切です。昔の常識にとらわれることなく、新しい知識を取り入れながら、食から健康な体づくりを心がけましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾