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「きえないで」 夏休み明けの子どもたちへ…水族館のメッセージが話題に 園長が明かす真意

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

投稿が反響を呼んでいる葛西臨海水族園【出典:葛西臨海水族園公式サイトよりスクリーンショット】
投稿が反響を呼んでいる葛西臨海水族園【出典:葛西臨海水族園公式サイトよりスクリーンショット】

 夏休みが明け、各地の学校では新学期が始まっています。長期休暇明けは子どもの心が不安定になり、小中高生の不登校や自殺のリスクが増加する傾向にあります。夏休み最終日の8月31日、東京・江戸川区の葛西臨海水族園が公式SNSに投稿した子どもたちへのメッセージが、ネット上で大きな反響を呼んでいます。「きえないで」とつづられたメッセージの真意について、葛西臨海水族園の錦織一臣園長に話を聞きました。

 ◇ ◇ ◇

夏休み最終日の8月31日、新学期に不安を抱える子どもたちへのメッセージを投稿

「きえないで
休んでいい  にげていい
あなたにいてほしい  あなたに生きていてほしい
あなたにいまも、2028年の新水族園も
ずっと見にきてほしい
きえないで  きて
この世界は、この星は、ほんとうは広い
もっとずっと
だれもおってこられないくらい広い
ずっとずっと
あなたの声に、あなたの思いに、よりそうひとが
きっといるから
にげていい  いまは
きえないで  きて  生きて  きて
この星の生きもののふしぎをあなたはどれくらいしったの?
あなたに見てほしいこの星の生きものがたくさんいるんだよ」

 先月31日、葛西臨海水族園が公式SNSに投稿した、夏休み明けの子どもたちへ向けたメッセージ。投稿には2.7万件を超えるリポスト、17万件もの“いいね”が寄せられるなど大きな反響を呼んでおり、「つらい人にこそ読んでほしい」「これは心にしみる」など、称賛の声が多数寄せられています。

 例年、夏休み明けの9月1日は小中高生の自殺者が増加する傾向にあるとされています。文部科学省が7月3日に通知した「児童生徒の自殺予防に係る取組について」では、児童生徒の自殺は「8月後半から増加し、特に長期休業明けの9月1日に多くなる傾向にあります」とし、あらためて自殺予防の取り組みを周知しています。

 夏休み最終日の8月31日、不安な子どもたちの心に寄り添った葛西臨海水族園のメッセージは、どのようにして誕生したのでしょうか。同園の錦織園長によると、事の発端は8月中旬に開催された都立動物園・水族園4園による定例会合。その場で、上野動物園の福田豊園長から「夏休み明けの子どもたちのために、動物園や水族館ができることはないか。それぞれの園でメッセージを発信するのはどうだろうか」と発案があったといいます。

 8月31日には、上野動物園、井の頭自然文化園、多摩動物公園もそれぞれ公式SNSでメッセージを発信。その中でも、「きえないで」という切実な書き出しの葛西臨海水族園の投稿は多くの人の心を打ちました。

 詩のようにも感じられる今回のメッセージについて、錦織園長は「葛西臨海水族園には多くの職員がおり、中にはいじめ被害や不登校の当事者だったり、うつや希死念慮(きしねんりょ、自らの死を願う気持ちや考え)を抱えていた職員もいます。私が書き出した生の言葉を、職員の意見も交えて何度も推敲(すいこう)し、2週間ほどの時間をかけて作りました」と語ります。

「水族館は生き物がいて、水が流れて満たされているだけの空間ですが、そこにあなたが来ることに意味がある。あなたの居場所の1つになりたいと、そう思っています。葛西臨海水族園だけでなく、そういう場所はあなたの近くにもきっとある。今、きえてしまいたいと思っているのであれば、ためらわずそういう場所に避難してほしい」

 9月1日の開園日には、早速メッセージを見たという来園者や、制服姿の子どもの姿もあったそう。新学期という節目に、多くの人の心を動かしたメッセージ。夏の終わりに紡がれたこの言葉が、一人でも多くの子どもの明日につながることを願うばかりです。

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(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)