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悪質いじめは学校から警察へ通報 わかりやすい事例イラストに大反響「なぜ今まで具体的にしなかった」
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文部科学省によると、2021年度に国公私立の小中高校などが認知した「いじめ」は61万件を超えて過去最多に。これまでもさまざまな対策が講じられてきましたが、文科省は今年2月7日、学校や教育委員会に対し、悪質ないじめがあった場合、速やかに警察と連携して対応するよう通知を出すことを明らかにしました。その「いじめの具体例」をわかりやすく描いたイラストが、3.1万件もの“いいね”を集めて話題になっています。作者の志水恵美(@shimizoon)さんに詳しいお話を伺いました。
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悪質ないじめは学校から警察への相談と通報を徹底
SNS上で注目を集めているのは、文科省が示した犯罪になり得る19のいじめ事例をイラストにした投稿。悪質ないじめがあっても、学校側が生徒指導の範囲内ととらえて警察への相談や通報をためらうケースが多かったことを受け、判断しやすいよう発表されたものです。描いたのは、プロのイラストレーターとして活躍している志水恵美さん。痴漢抑止活動センターという団体でボランティアスタッフとしても活動しています。
普段は、7歳の長女と4歳の次女の姉妹と送るほのぼのとした日常を描く作品が人気で、自身のウェブサイト「mizukocoro」上で発表中です。今回は、文科省の発表を知り「広めたい」との思いでイラストを描きました。
「初めは『文科省がいじめを犯罪だと認めたということかな?』と思ったのですが、よくよく調べていくと全然違う話でした。2013年に施行された『いじめ防止対策推進法』を、いかに世間の人々が知らないのか……それに驚きましたし、もちろん私自身も知りませんでした」
志水さんは、「先生の負担も軽くなるだろうし、子どもを被害者にも加害者にもしない学校を目指してほしい」との思いを綴り、学校から警察への相談や通報を徹底するよう通知された19の具体例をイラストにしてツイッターへ投稿しました。これが大きな反響を呼び、3.1万件もの“いいね”を集めています。
リプライ(返信)には、「絵を見ると、これ犯罪でしょ? って思えるものばかり。なぜ今まで具体的にしなかったのかのほうが気になります」「改めて絵にされると、なんで今までこんな事案が犯罪ではなく単なるいじめで済まされていたのか本当に疑問ですね」「今回をきっかけに、子どもと一緒にツイートを見ながら話をすることができました」といった声が寄せられました。