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「パパ、耳聞こえないんだよ」 友達を連れてきた小5娘、父親の紹介に反響 「なんだかうれしかった」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

「直接パパに言ってください」 娘の言葉が変えた景色

娘さんはふたりともとてもお茶目【写真提供:中島正行(msnakaji)さん】
娘さんはふたりともとてもお茶目【写真提供:中島正行(msnakaji)さん】

 そんな中島さんの思いを知ってか知らずか、娘さんが小学3年生頃になったある日のこと。空港の受付や病院、スーパーマーケットのレジなどで、娘さんは相手に向かって「直接パパに言ってください」と伝えるようになったのです。

「初めてそれを見たとき、心の中で拍手していました。僕が言わせたわけじゃないので、なおさらです。大人に向かって『直接パパに言ってください』と言うのは、子どもには簡単じゃないと思います。頼まれたことを断る形にもなるので」

 中島さんが娘さんに「通訳しなくていい」と伝えたことは、一度もありません。ただ、時間がかかったり、うまく通じなかったりしても、やりとりはできるだけ自分でやると決めて実践する中島さんの姿を、娘さんはずっと横で見ていました。

「パパは自分でやる人だと思っていたんじゃないかと思います。その姿勢から伝わったのかもしれません」

 娘さんが間に入らなくなったことで、行きつけのスーパーの店員やかかりつけの病院の先生は、中島さんのほうを向いて話すようになりました。うまく伝わらなくても、笑いながら身振りを交えたり、スマートフォンに文字を打ったりしてコミュニケーションを取ってくれるようになったそうです。

「むしろ、そのほうが気楽です。信頼感も違います。先方も、気づかないうちに対応力が身についているんじゃないかと思います。その様子を、娘は横で普通に見ています。自分が作った景色だとは、たぶん思っていません」

「特別なことをしてほしいわけではないです」

デフゴルファーとして世界を目指す中島さん【写真提供:中島正行(msnakaji)さん】
デフゴルファーとして世界を目指す中島さん【写真提供:中島正行(msnakaji)さん】

 耳が聞こえない人が周囲にいるとき、知ってほしいことについて尋ねると、「特別なことをしてほしいわけではないです」と中島さんは答えます。

「顔を見て話してくれれば、それだけでだいぶ違います。マスクを下げてくれたり、書いてくれたり、そういう小さいことで足ります。家族が近くにいても、本人に向かって話してもらえるとありがたいです。家族はいつもそばにいるわけではないので」

 身振りや筆談、スマホの文字など、伝え方にはさまざまな方法があります。「一度やってみれば、意外といけるなとわかるはずです」と、中島さんは周囲への理解を求めています。

 元デフサッカー(ろう者サッカー)日本代表として活躍していた中島さん。現在はデフゴルファーとして、2028年に開催される世界デフゴルフ選手権出場に向けて奮闘しています。さらに、企業・学校向けの講演も実施中。その様子や家族の日常、アクセシビリティなどについて、自身のnoteで公開しています。

(Hint-Pot編集部)