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「黄身が濃いほど栄養豊富」は間違い? 卵にまつわる意外と知らない3つの“誤解” 栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

日々の食卓で活躍する卵(写真はイメージ)【写真:写真AC】
日々の食卓で活躍する卵(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 さまざまな料理に活用され、身近な存在の卵。栄養豊富なことで知られ、日々の食卓に取り入れている人もいるでしょう。なじみのある食品だからこそ、卵については昔から多くの豆知識や情報がありますが、現在は誤解とされているものもなかにはあるようです。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

良質たんぱく質など栄養豊富な卵

 卵は、栄養豊富なことから「完全栄養食」と呼ばれることがあります。完全栄養食とは、人が健康を維持するために必要な栄養素を、幅広く含む食品を指す言葉です。実際に、卵には良質なたんぱく質や脂質をはじめ、ビタミンAやビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、鉄などのミネラルが含まれています。

 とくに、卵のたんぱく質は、体内でつくることができない必須アミノ酸がバランス良くそろっており、筋肉や臓器、皮膚、髪など、体をつくるために欠かせない栄養素です。また、脂質にはリノール酸やオレイン酸といった健康維持に役立つ脂肪酸や、細胞膜の構成成分でもあるレシチンなども含まれています。

 しかし、ビタミンCや食物繊維はほとんどなく、卵だけですべての栄養素を補えるわけではありません。野菜や果物など、ほかの食品と組み合わせて食べることが大切です。

卵にまつわる栄養面での誤解

 卵の豊富な栄養について、昔から「常識」とされてきたことのなかには、今では必ずしも正しいとはいえないものもあります。代表的なものは、次の通りです。

○卵の黄身の色が濃いものほど栄養がある
 濃い黄色であればあるほど栄養価が高いイメージがありますが、色の濃淡と栄養価に直接的な関係はありません。卵黄の色は、ニワトリの飼料に由来するものです。たとえば、トウモロコシが主であれば一般的な黄色に、パプリカが合わさるとオレンジ色に、米であれば白色になります。

○赤卵のほうが、白卵より栄養がある
 殻の色が赤い卵のほうが、白い殻の卵よりも栄養価が高いと思われがちです。しかし、同じエサと環境で飼育すれば、赤卵も白卵も栄養価の違いはほとんどありません。色の違いは鶏の種類、羽の色の違いによるものです。

○コレステロール値が高くなるため1日1個まで
 卵はコレステロールを多く含むことから、以前は「1日1個まで」といわれることがありました。しかし、現在は健康な人について、一律に1日1個までとする考え方ではなくなりました。健康体であれば、食事から多くとった場合、体内で調整し作る量を減らすことができるからです。ただし、血中のLDL(悪玉)コレステロール値が高い人などは食べすぎに注意しましょう。

保存方法も昔の常識とは違う?

 このほか、家庭での卵の保存方法についても、考え方が変わっている部分があります。たとえば、昔は冷蔵庫のドアポケットに、卵をパックから取り出して保存するのが一般的でした。

 しかし、冷蔵庫のドア付近は、開閉のたびに振動や庫内と外気の温度差の影響を受けやすいため、卵にとって良好な環境とはいえません。現在は、パックのまま冷蔵室の奥に入れて保存すると良いといわれています。

 また、卵を水洗いするのは避けたほうが良いでしょう。殻には気孔と呼ばれる穴があり、そこから水とともに雑菌などが侵入してしまう可能性があるためです。現在、スーパーマーケットなどの店頭に並んでいるものは、たいてい出荷前に洗卵されています。もし殻の汚れが気になる場合は、そっと拭き取りましょう。

 手軽に調理でき、日々の食卓で活躍する卵。正しい知識をブラッシュアップしつつ、上手に取り入れたいですね。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾