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焼き芋は冷やして食べたほうが体に良い? 栄養士に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

焼き芋(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
焼き芋(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 甘くておいしいサツマイモが出回る季節。シンプルに焼き芋で味わう方も多いでしょう。熱々も良いけれど、最近は「冷やし焼き芋」を推す声も増えています。実際のところ、焼き芋を冷やすことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

焼き芋を冷やすことで注目される成分

 焼き芋を冷やすことで注目されているのが、「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」という成分です。

 サツマイモに含まれるでんぷんは、加熱すると消化・吸収されやすい状態になります。ところが、そのあと冷やすことによって、でんぷんの構造が変化し、小腸で消化されにくいレジスタントスターチが増えることが知られています。

 そのため、小腸で吸収されずに大腸まで届き、食物繊維に近い働きをするのが特徴です。具体的には、食後の血糖値の急上昇を抑えやすいこと、腸内善玉菌のエサとなり腸内環境を整えること、さらに満腹感が続きやすいことが挙げられます。

 このようなことから、近年は冷やし焼き芋を好む方が増えているのかもしれません。ただし、レジスタントスターチが増えても、焼き芋そのもののカロリーや糖質の総量が大きく減るわけではありません。冷やせば低カロリーになるというのは誤解です。

 また、冷たい食べ物は内臓を冷やしやすく、胃腸が弱い方にとっては負担になることもあるでしょう。消化に時間がかかるということは、人によっては胃もたれやお腹が張りやすくなる可能性もあります。

栄養たっぷりのサツマイモ 皮にはポリフェノールも

 冷やすことでレジスタントスターチの増加が期待できる一方、サツマイモ自体にもさまざまな栄養素が含まれています。食物繊維は、不溶性と水溶性の両方が含まれており、腸内環境を整えるのに役立つでしょう。切ったときに出る白い液体のヤラピンは、アクとして知られていますが、腸の働きをサポートし便秘予防の成分としても注目されています。

 ビタミンCも豊富です。通常、ビタミンCは熱に弱く、加熱調理すると壊れやすいですが、サツマイモのビタミンCはでんぷんに包まれていて熱から守られるので、損失が少ないのが特徴です。

 このほか、余分なナトリウムの排出を助けるカリウムや、糖質の代謝を助けるビタミンB1、抗酸化作用のあるビタミンEも含まれています。とくに皮にはポリフェノールなどが集まっているといわれるため、可能であれば皮ごと食べるのもおすすめです。

糖質やカロリーのとりすぎに注意

 通常の温かい焼き芋も、冷やし焼き芋も、サツマイモの主成分は糖質です。体に良いから、栄養が豊富だからといって食べすぎると、糖質やカロリーのとりすぎにつながるので注意が必要です。

 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年によると、焼き芋(皮なし)100グラムあたりのエネルギーは151キロカロリー。中サイズのサツマイモなら200~300グラム程度なので、1本食べると摂取するエネルギー量も多くなります。間食として食べる場合も、その日の食事とのバランスを考えて、上手に取り入れたいですね。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾