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令和の大学生は親世代と比べて自由が少ない? 過保護な学生対応は大学をどう変えるのか

公開日:  /  更新日:

著者:西田 梨紗

学びの内容は高度化している一方、言動が心配になる学生も

 筆者は大学生と関わるなかで“最近の大学生は将来を考え、現実的で偉い”と感じることが多いです。その一方、筆者の学生時代には、あまり見られなかった光景に直面することも……。

 たとえば、重要性がさほど感じられない内容のメールでも「開封必須」とタイトルに書かれていたり、「〇〇さんが今日も私に文句をつけてきた。最悪ヽ(`Д´#)ノ」といった感情的な内容のメールが届いたりすることもあります。

 こうしたメールを受け取った教員のなかには「教員に送るメールの文面じゃないよ」「目上の立場の人に顔文字は使わないよ」と、優しく諭す人もいます。

 また最近では、会話中の教員に対しても「レポートを見てください!」とレポートを渡してきたり、急ぎの要件でないにもかかわらず会話に割り込んで自分の要求を伝えてきたりする学生もいます。

 筆者が知人から聞いた話ですが、卒業論文の提出日に寝過ごしそうになったところを、学科事務からの電話で救われた学生もいます。

 学生本人だけでなく、保護者と大学との関わりが見られるケースもあります。筆者の周囲では、単位を落としたことについて、保護者から問い合わせが入ることがあります。また、現在では、保護者を対象に、学生の成績や単位、卒業、就職などについて教職員と相談できる機会を設けている大学もあります。

 ただし、自分の親が大学に対して卒業や単位についてかけ合ったことを知らない学生もいるので、“最近の学生は成人しても親依存の傾向にある”とは必ずしもいえません。

令和の大学生が“幼稚化”したわけではない

 昨今の大学教育では、自分が大学生のときに教員にしてもらった以上のことを学生にしてあげることが求められ、戸惑う教員もいます。

 一方で、学生側に求められることも少なくありません。講義への出席だけでなく、グループワークや議論への参加、専門分野以外の知識の習得など、大学で身につけることが期待される能力は多岐にわたります。

 それと同時に、大学側には学業だけでなく、学生生活や進路などを幅広く支援する役割もあります。学生に多くのことを求めながら、大学側も手厚く支える。そこには、一見すると矛盾するような関係があるように感じます。

 だからこそ、昨今の大学生の姿を“幼稚化”などと矮小化し、学生側だけの問題としてとらえることには慎重であるべきでしょう。学生の個性や置かれた環境だけでなく、大学教育そのものがどのように変わってきたのかについても考える必要があります。

 大学は、学生をどこまで支えるべきなのか。そして、自ら考え、自由に過ごす“余白”をどこまで残すべきなのか。大学教育が学生に求めるものが増えている今だからこそ、改めて考える必要があるのかもしれません。

(西田 梨紗)

西田 梨紗(にしだ・りさ)

アメリカ文学研究/ライター。アメリカ文学を研究する傍ら、映画・ドラマのレビューや、社会問題をテーマにした記事を執筆。近年は「推し活」や「おひとり様」といった社会現象にも関心を寄せている。猫が好きで、「猫が幸せになる記事を書くこと」をモットーに活動している。