からだ・美容
外出自粛で運動量激減 「新型コロナ太り」深刻に 心筋梗塞など重大疾病の懸念も…
公開日: / 更新日:
新型コロナウイルス感染拡大により、厚生労働省から2月末より外出自粛要請、テレワークの促進等の感染拡大防止策が発表された。また今月7日には東京などを対象に緊急事態宣言が発令され、状況はさらに深刻化している。新型コロナウイルスに影響を受け、人々のライフスタイルが変化する中、株式会社リンクアンドコミュニケーションは、同社が運営する企業向け健康経営支援アプリ「カラダかわるNavi」のユーザーを対象に身体状況・健康行動の変化を分析。体重を記録していない人は1か月弱で「約1キロの体重増加」が認められるなど、“衝撃”の結果が明らかになった。
◇ ◇ ◇
2~3月の8週間を調査 1日の歩数は1か月で約1000歩減少 有酸素運動実施率も…
同社によると、分析対象者はアプリ「カラダかわるNavi」ユーザーで、分析期間は昨年の2月3日~3月30日、そして2020年2月2日~3月28日の各8週間。分析項目は体重、歩数、運動の3種類で、体重のみ分析期間との差を比較するため各開始日の1週間前のデータも利用した。
体重については昨年と比較して顕著な差が現れた。昨年と今年の1月の4週目を基準とし、2月以降の体重増減を調査したところ、昨年は2~3月の8週間で0.6キロ減少したが、今年はほとんど減少が見られなかった。アプリユーザーの75%はダイエットやメタボ改善を目的にしているといい、ダイエットの成果が現れにくくなっていることが分かる。また、アプリへの体重入力が週に2回未満の人は3月後半から体重が増加。1か月弱で約1キロの体重増加が見られた。
健康行動にも変化が見られた。2月以前に1日平均5000歩以上歩いた人も、今年は2月1週目をピークに歩数が徐々に減少。3月3週目で盛り返すも、4週目に再度減少している。2月上旬と比較して、2月下旬から3月にかけては約1000歩も減少したことになる。
運動内容も、自粛要請期間ではランニングやスポーツ、スタジオプログラムなどの有酸素運動をする人が一気に減少し、自宅内で実施可能な筋肉トレーニングやストレッチなどの軽い運動を行う人が増えた。カロリーを消費しやすい有酸素運動の実施率が減少しているため、体重や体脂肪が増えやすい状況になっている。
専門家指摘 心筋梗塞や脳卒中の増加 うつ病発症や認知機能低下も
専門家である近藤尚己・東大大学院准教授は次のように意見を述べている。
「外出自粛によって身体活動が顕著に減れば、心筋梗塞や脳卒中の増加、うつ病の発症、認知機能の低下など、間接的な影響も重大になります。身体活動の減少を放置すれば、新型コロナ感染症が終息した後の『ツケ』となって国民全体が不健康になってしまいます。自宅にいても身体活動を増やせるための工夫を、社会全体で考案して実践していくべきです」
同社ではアプリ「カラダかわるNavi」を通じて、今月8日からテレワーク中の健康状態の集計、「自宅でできる運動メニュー」の動画配信、新型コロナウイルスに対する最新情報の配信などを実施している。外出自粛によって運動が減ることで、体重増加のみならず重大疾病の危険性も増すという。外出がままならない中でも適度な運動は心がけたい。
(Hint-Pot編集部)