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「普段はおとなしいのに…」 室内飼いの愛犬が山道で突然パニックに プロが語るペット連れ登山で守るべきルールとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:稲村 道子

愛犬との山歩きを楽しむ登山客も増えている(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
愛犬との山歩きを楽しむ登山客も増えている(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 秋の行楽シーズンを迎え、山歩きを楽しむ人が増える時季です。近年、愛犬と一緒に山を歩く「ペット連れ登山」というスタイルもみられます。愛犬との思い出作りの一方で、山道ならではの環境から予期せぬトラブルにつながるケースもあるようです。テレビ番組の山岳ロケコーディネートや、国内ガイドとして活躍する国際マウンテンリーダーの稲村道子さんに、ペット連れ登山で実際に起こった事例と注意点についてお聞きしました。

 ◇ ◇ ◇

山で起こった思わぬトラブル

 山で見かけるペットは小型犬や中型犬が多く、おとなしくかわいらしい姿に癒やされることもあるでしょう。一方で、思わぬけがやトラブルにつながってしまうことがあります。私の友人ガイドからも、高尾山での体験談が届きました。

 高尾山を歩いていた際、登山道でマルチーズに突然ガブッと噛まれ、下山後に病院へ行くことになったそうです。飼い主さんに聞いたところ、普段はほぼ室内で過ごしている犬だったそうですが、慣れない屋外の山道に連れ出されたことで、少し興奮状態になってしまっていたようでした。

 狭い道で伸縮リードをつけと犬とすれ違う際、「飛びかかってこないかな」と不安を感じることもあるでしょう。また、犬のペースに合わせて歩いていることが原因で“渋滞”を起こしている場面も見かけることがあります。

山道ならではの環境で興奮やパニックも

 愛犬との「お散歩の延長」という軽い気持ちで、山歩きを楽しむ方もいるかもしれません。しかし、山道ならではの環境変化には少し注意が必要です。

 普段はとてもおとなしい性格であっても、山という慣れない環境や大勢の登山者に囲まれることで、急にテンションが上がって興奮したり、びっくりしてパニックを起こしたりすることがあります。

 また、1列でしか進めないような道幅の狭い山道では、すれ違いざまにほかの登山者の方と接触したり、驚かせてしまったりすることがあります。長さを自由に調整できるリードは便利ですが、山道では足元にコードが引っかかってお互いに転んでしまうリスクもありますので、周囲へのちょっとした配慮が大切です。

愛犬と安全に山歩きを楽しむための3つの配慮&対策

 気持ち良く安全に山歩きを楽しむために、ペット連れ登山で知っておいてほしいポイントが3つあります。

1. 「短く固定したリード」を使用し、すれ違い時は短く持つ
 山道では長さを短く固定できるリードを使用し、ほかの登山者とすれ違う際はリードを短く握り直して、自分側に犬を引き寄せてあげましょう。スムーズにすれ違うことができます。

2. ペットの様子を観察し、無理をさせず優しく見守る
 室内飼いのペットにとって、山の刺激や傾斜は、思っている以上に体力や気力を使うものです。「いつもと様子が違うな」「興奮して落ち着かないな」と感じたら無理に先を目指さず、こまめに休憩を入れたり、引き返したりする優しい判断をしてあげてください。

3. 事前に自治体や公園のルールを確認しておく
 国立公園など、動物の立ち入りが制限されているエリアでないか事前に調べておくと安心です。また、ルール上は問題ない山であっても「混雑する時間帯を避ける」「道幅にゆとりのあるコースを選ぶ」など、犬と周りの方の双方に配慮したプランニングを心がけましょう。

(Hint-Pot編集部)

稲村 道子(いなむら・みちこ)

国際マウンテンリーダー(UIML)/公益社団法人日本山岳ガイド協会 登山ガイドステージII。株式会社ウェック・トレック。10代から山岳手配に携わり、ヨーロッパ主要峰(アイガー、マッターホルン、モンブランなど)の登頂やキリマンジャロ5回登頂、6000メートル峰10座登頂を誇る。30代では年間250日も海外でハイキングガイドを務め、語学力(英語、ネパール語、ドイツ語、フランス語)を生かしてネパールでの山岳撮影や遠征隊のコーディネートにも従事。日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」「24時間テレビ」、NHK「グレートサミッツ」などの山岳番組現場に多数同行した実績を持つ。現在は「風花空ハイキング」を主宰。日本全国の山々でガイドを行い、初心者やミドル世代の女性へ向けた安全で実践的な山歩き指導に定評がある。
株式会社 ウェック・トレック
風空花ハイキング