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新品の畳に「くさい!」 鼻をつまむ子どもに「世も末だ…」 町の小さな畳屋が憂う“畳離れ”の現実
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国産畳の苦境を発信しようと立ち上げたSNSアカウントで、いきなりの大バズリ
「現在日本で生産されている畳のうち、国産のものは20%以下しかありません。ほとんどは中国産や、和紙やポリプロピレンを使った工業用の人工畳。畳離れで厳しい経営を強いられている全国の畳屋さんは、これ以上値段を上げられないと、仕入れ価格が安い中国産を使わざるを得ない状況が続いています。そこと比べられるので、本物の日本のイグサも値段が上がらない。日本一のイグサの産地である熊本でも、採算が合わなくなり、辞めていく農家さんが後を絶たない状況なんです。本当に、見ていてすごく苦しいし、寂しいですよ」
小山畳店では、生産地熊本の農家を守りたいとの思いから、輸入品は扱わず、国産の畳表(たたみおもて。畳表面のゴザ部分のこと)のみを利用。息子の泰治さんは年3回、のべ2か月ほどの間、熊本の生産農家のもとに泊まり込み、生産や収穫を手伝っているそう。「現地では生産者さんに気を使わせないよう、テント生活ですよ」と苦笑いを浮かべます。
「今頑張っている数少ない農家さんたちはみんな、『自分たちの代で、日本のイグサを絶やしちゃいけない』という、本当に強い気持ちを持っています。その熱い気持ちが、息子にも伝わったんでしょう。農家さんがいなくなったら、私たちのような国産専門の畳屋はもう仕事ができない。だからこそ、ただ畳を右から左へ売るんではなくて、農家さんのイグサへかける思いも発信していこうと」
これまではホームページ上で生産地の現状を発信してきましたが、9月末に新たにSNSアカウントを立ち上げると、今回の投稿が大バズリ。時代に合わせた発信により、より多くの人に畳業界の苦境を伝えることができたと振り返ります。
「3000件のコメントのうち、ほとんどが畳の香りが好きという肯定的な反応でしたが、一方で、すでに畳のない生活をされているという方もかなりの割合でいました。『昔を思い出す』『実家や祖父母の家を思い出す』という声も多く、もはや懐かしさを感じる匂いになってしまっている。
子どもの味覚が親の食生活で決まるように、嗅覚もまた、親の言葉や環境で育つものだと思います。畳は家の中に自然を呼び込むもの。次の世代の子どもたちが『ああ、いい匂い』と思えるような、豊かな感性を残してあげたいという思いで、日々畳作りに励んでいます」
今年7月に発生した熊本地震では、イグサの生産地も大きな被害を受けました。日本が世界に誇る畳文化を今後どう守り維持していくのか。生産者や畳屋さんの試行錯誤の日々は続いています。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)