仕事・人生
「火であぶられながら金属バットで叩かれているよう」 指のけがから始まった激痛 11軒の病院を受診した女性が明かす、診断までの苦悩
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CRPSで音大進学を断念… 「恩師の言葉」で見つけた新たな夢
病名が判明したあとも、蒼井さんの痛みは治まりませんでした。高校生の頃には、全身に激しい痛みを感じるようになったといいます。
「CRPSの特徴は、灼熱痛です。私の場合は、火であぶられながら金属バットで叩かれているような痛み。加えて、全身をおろし器で削られているような痛みや、腰にボルトを突き刺されているような激痛があります」

痛みは、幼い頃から思い描いていた将来にも影響を及ぼしました。麻酔科の医師から「楽器を弾くのは困難」と告げられ、バイオリンの先生になる夢を諦め、音楽大学への進学も断念することになったのです。
「病気になってから初めて人前で泣いたくらい、衝撃的な出来事でした」
将来が見えない――。そう絶望したとき、心を救ってくれたのは、高校の恩師がかけてくれた「先生になる夢なら叶えられるんじゃない?」という言葉です。
その言葉に背中を押され、教員を目指そうと決意。音楽大学への進学を考えていたため、当時は文系のクラスに在籍していましたが、もともと化学の実験が好きだったことから理系へ進路変更。病気のことを考えないようにするためにも、今まで音楽の練習に費やしていた時間を埋めるかのように猛勉強。その結果、志望大学への合格を果たします。
ただ、医療用麻薬によって、なんとか日常生活を送れている状態だったことから、大学4年生の頃、就労に対する不安が生じ、主治医に相談しました。
「私の場合は、医療用麻薬を増やして寝たきりになるか、気力で痛みに耐えて仕事するかの2択だと告げられたので働く選択をしました」
覚悟を持って、蒼井さんは大学院へ進学。しかし、就職活動は順調に進みませんでした。自身の障害は働くうえで隠せるものではないと考え、病気について伝えたうえで採用試験に臨みましたが、何十校も不採用になり、精神的につらい時期が続いたと言います。

それでも諦めずに就活を続けた結果、とある中高一貫校への採用が決定。蒼井さんは胸をなでおろしました。
病気によって音楽の道を断念しながらも、ようやくつかんだ教師としての新たな一歩。しかし、勤務先では障害を理由とした差別的な言葉をかけられるなど、つらい経験を重ねることになります。
後編では、蒼井さんが直面した職場での問題と、それでも教師を続ける理由について紹介します。
(古川 諭香)
