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食べすぎで中毒も? 秋の味覚「銀杏」に思わぬリスク 専門家が推奨する「1日の目安量」は

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

秋の味覚のひとつ、銀杏(写真はイメージ)【写真:写真AC】
秋の味覚のひとつ、銀杏(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 秋の味覚のひとつとして親しまれている銀杏。火を通すともっちりとした食感になり、独特の風味が魅力です。季節の味わいとして楽しむ一方で、食べすぎると不調になることもあるようです。銀杏を安全に楽しむためには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

銀杏は栄養豊富なスタミナ食

 銀杏は、イチョウの種子の中にある「仁(じん)」と呼ばれる部分です。硬い殻の中には薄皮に包まれた黄緑色の実があり、加熱するともっちりとした独特の食感を楽しめます。

 古くからスタミナ食として親しまれてきました。主成分は炭水化物で、βカロテンとビタミンCが多いのが特徴です。βカロテンは必要時に体内でビタミンAに変換され、目や皮膚、粘膜などを健康に保ち、体の免疫機能を高めることで知られています。ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせません。

 このほか、抗酸化作用を持つビタミンEも含まれるため、合わせてビタミンエース(ACE)として相乗効果が期待できます。

 また、体内の余分なナトリウムの排出を促し、水分バランスを調整するカリウム、糖質の代謝を助けるビタミンB1や、たんぱく質の代謝などに関わるビタミンB6も含まれています。

一度に大量に食べないことが鉄則

 ただし、一度に大量に食べると、中毒を引き起こすことがあります。原因は、銀杏に含まれる「4′-O-メチルピリドキシン」という成分です。熱に強く、炒ったりゆでたりしてもなくなりません。

 この成分がビタミンB6の働きを妨げることで、脳の神経系が興奮状態になり、吐き気や嘔吐、痙攣などの症状が現れることがあります。重症になると意識障害を起こすこともあり、注意が必要です。異変を感じたら、速やかに医療機関を受診しましょう。

 小さな子どもには食べさせないようにしてください。中毒を起こす量には個人差があります。何個までなら安全といえる明確な基準はありませんが、健康な成人なら10粒程度を目安に、一度にたくさん食べないようにしましょう。

電子レンジ調理が便利

 銀杏を手軽に調理したい場合は、電子レンジを使うのがおすすめです。10粒程度を紙封筒などに入れて、2~3回折って封をしたら、40秒(500W)ほど加熱します。加熱時間が長すぎると庫内に飛び散ることがあるため、注意しながら調整してください。破裂音が数回聞こえたら取り出しましょう。やけどに気をつけ、殻を割って中身を出します。

 加熱した銀杏は、塩やコショウなどで好みの味をつけると、シンプルに素材の風味を楽しめます。オリーブオイルをかければ、脂溶性のβカロテンとビタミンEの吸収率をアップさせることも。また、茶碗蒸しや炊き込みごはんなどの料理に加えるのもおすすめです。

 銀杏は、栄養面の魅力はもちろん、独特の風味と食感を持つ食材です。食べすぎに注意して、季節の味覚を楽しみましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾