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食べる部分は“実”にあらず!? 秋の味覚・栗の栄養素や選び方 傷みやすい生は保存に注意
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教えてくれた人:和漢 歩実
秋の味覚と聞いて多くの人が思い浮かべる栗。日本の縄文時代には主食として食べられていたと考えられています。茹でてそのままや栗ごはん、スイーツに使ってもおいしい栗ですが、私たちが食べている部分がいわゆる「果肉」ではないことをご存知でしょうか? 意外と知らない栗の豆知識を栄養士の和漢歩実さんに伺いました。
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縄文時代から常食 木はかつて線路の枕木にも
栗はブナ科クリ属の木の実の一種です。縄文時代の遺跡から炭化した栗が見つかるなど、日本では古くから栽培と常食が行われてきました。
砂糖が普及する以前、栗は貴重な甘味資源でした。大粒で“栗の王様”と呼ばれる京都の「丹波栗」は、古事記や万葉集、日本書紀にも記され、全国に広まったのは参勤交代が行われていた江戸時代になってからと言われています。生産量は少ないながらも、朝廷や幕府に献上されていました。今も高級栗として知られています。
「桃栗三年柿八年」と言われますが、栗の木は材質が硬く腐りにくい上に成長が早いのが特徴です。日本では古くから木材として利用され、明治時代には線路の枕木としてもよく使われるなど、生活を支えてきました。
世界で栽培されている栗は主に4種類ある
栗は大きく次の4つに分けることができます。日本で栽培されている栗の大部分は日本栗(和栗)です。
○日本栗
渋皮が離れにくく、甘味の強さが特徴です。
○中国栗
渋皮離れが良く甘栗として人気があります。小粒で甘味の強さが特徴です。
○ヨーロッパ栗
簡単にむくことができ、マロングラッセなど菓子の材料にも使われます。
○アメリカ栗
今ではほとんど見かけませんが、缶詰やお菓子などに利用されていたようです。