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ヘンリー王子の失言が波紋 英国の新型コロナ危機を「報じられているよりマシ」と発言 専門家が激怒

著者:森 昌利

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ヘンリー王子【写真:Getty Images】
ヘンリー王子【写真:Getty Images】

英国に帰国叶わず メーガン妃と手をつなぎ米国で慈善活動に勤しむ王子

 主要王族から離脱したヘンリー王子は現在、米ロサンゼルスに滞在している。現地ではチャリティ活動を行う姿がキャッチされており、メーガン妃と手をつないでロックダウン中の街を移動して、慢性疾患を抱える患者の家々に食事を配る様子が報じられた。このほど王子は、ポッドキャストに出演。遠く離れた母国の新型コロナウイルス感染拡大について「メディアで報じられているよりはマシ」といった発言をしたという。これに対して専門家が「Outrageous(とんでもない)」と強く批判。亡き母ダイアナ元妃のことに加え、度重なるメーガン妃へのバッシングなど英メディアに不信感を抱いている王子だが、思わぬ“失言”が、波紋を呼んでいる。

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 英大衆紙「デイリー・メール」が報じたところによると、新型コロナウイルスによる1日の死者数が一時1000人に近付き、病院で亡くなった人が1万6000人に達した英国。イタリアやスペインの“惨状”とも比肩する母国の新型肺炎の被害について、ヘンリー王子が「一部メディアが先導する(状況)よりはマシ」と発言した。

 この発言に真っ向から反発したのが感染症の専門家であるカロル・シコラ教授。「とんでもない! 一体王子にどんな資格があってそんな発言をしたのか」と強い言葉でヘンリー王子を非難した。

 さらにシコラ教授は、被害が拡大しロックダウンも4週目に突入、閉塞感が広がる中、国が1つにまとまって危機を乗り切ろうとしている最中に、本来なら国民の先頭に立ち模範となるべき王族のヘンリー王子が「アメリカに敵前逃亡している」と強烈な一言。遠く離れた異国から、実父チャールズ皇太子が感染しても帰国することもできず、1万6000人以上が新型コロナで死亡しているにもかかわらず「Better(マシ)」という表現で状況を語ったことに、激しい怒りさえにじませた。

 これまでメーガン妃に批判的な報道をしてきた英メディアに対し、訴訟も起こしている夫妻。このほど英4大タブロイド新聞社に絶縁状を送るなど、ヘンリー王子はメディアに対する不信感を募らせているようだ。そんなメディアの信用性を貶めたいという狙いもあったのかもしれないが、今回の新型コロナウイルスに関する発言はいただけない。

 多くの愛する人を失った英国民はおろか、今回の新型コロナの被害を「マシ」などと発言しては、世界の王室ファンからもそっぽを向かれてしまう。メーガン妃に対するバッシングやゴシップ攻撃と新型コロナウイルスに関する報道を一緒にするようでは、今後もヘンリー王子はますます「王道」から離れ、迷走を続けてしまいそうだ。

(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)